IT業界は、ストレス過多な会社が多いと言われています。エンジニアという仕事も、例外ではありません。仕事にかけた時間ではなく成果が重視される業界であり仕事なので、仕方がない面もあるでしょう。
ただ、ストレスで会社を辞めたいと思うエンジニアは多いです。
そこで、エンジニアにありがちなストレスを7つ紹介し、その解消法と転職する際のポイントを紹介します!
エンジニアが抱えがちなストレス7選!
仕事で抱えるストレスは人それぞれです。ここでは、多くのエンジニアが抱える傾向のあるストレスを7つ紹介します。自分は今の仕事や会社のどこにストレスを感じているのか、今一度見つめ直してみましょう。
社内の人間関係
社内の人間関係は、多くの職業で「転職理由」の1位になるストレス要因です。「人間関係が良いなら、働き続けられる」という言葉もありますが、逆に人間関係が悪ければ働き続けるのは困難ということになりますよね。
エンジニアは、意外と人と関わることが多いです。特に開発現場で上流の工程に携わったり、リーダーに選ばれたりすると対人業務が増えていきます。社内に相性の悪い人や、嫌な人がいると大きなストレスを抱えてしまうでしょう。
急な要求・依頼がある
エンジニアは、急な要求や依頼がある仕事です。たとえば、最初に決めた仕様が急に変更されることがあります。しかも、納期が迫っているときに仕様変更や機能追加などが行われることも多いので厄介ですよね。
ただでさえ忙しいのに、急な要求や依頼で仕事を増やされてはたまったものではありません。
しかし、内々で文句は言いつつも、結局はやらなければならないのがエンジニアの辛いところです。
無駄な会議や打ち合わせがある
エンジニアにとって、本分は技術的な仕事です。ただ、その業務を行うのにも会議や打ち合わせは必要になります。
ただ、中には無駄だと感じるようなものも多いですよね。結論ありきの会議や、長考した挙げ句何も決まらない会議などがIT業界にはよくあります。本来の業務に集中したいのに、無駄な会議や打ち合わせで集中力が切れたり、作業を中断して納期が圧迫したりするケースもあるでしょう。
長時間労働・ハードワーク
IT業界は、長時間労働が多い業界として、長年有名です。
IT業界では、開発経験が豊富な人がプロジェクトマネージャーになることがよくあります。ただ、現場で活躍する人材とマネージャーとして活躍する人材とでは、求められるスキルが異なりますよね。
一流のプレイヤーが、一流の監督とは限りません。結果、管理能力に乏しい人がマネージャーを務めることも珍しくはないでしょう。
それが、長時間労働の社内要因のひとつになっています。
社外要因は、クライアントの急な納期短縮依頼や仕様変更依頼などですね。他にも、予算と納期との兼ね合いなど挙げ続ければキリがないでしょう。
そうして長時間労働とハードワークが常態化していく現場が多く、エンジニアの大きなストレス要因となっています。
クライアントとの人間関係
社内の人間関係は転職理由のトップクラスにありますが、エンジニアにとってストレスになる人間関係は社内だけに留まりません。クライアントとの人間関係も、大きなストレスになることがあります。
社内の人間関係に比べて1番の転職理由に挙げられることが少ない傾向があるのは、常に関わらなければならない社内の人と違い、関わる頻度自体は低いためです。
それでも、厄介な悩みのタネであることに変わりはありません。
無茶な要求ばかりするクライアント、質問しても「わからない」としか言わないクライアント、高圧的なクライアント…。そのようなモンスタークライアントや、単純に相性の悪いクライアントに悩まされるエンジニアは多いのではないでしょうか。
常駐先の変更が多い
IT業界は、社内で仕事を行う場合以外にも、客先常駐という働き方がありますよね。要は、クライアントにエンジニアを派遣する形です。
この常駐期間は、現場によってさまざま。プロジェクト単位だったり、年単位だったり…。ただ、会社によっては常駐先がコロコロ変わることもあります。客先常駐エンジニアにとって、職場は常駐先のクライアントです。
頻繁に職場環境が変わること自体が、大きなストレスになりますよね。
技術的な悩み
エンジニアの中には、技術的な悩みを抱える人もいます。
IT業界の技術は、目まぐるしい速度で進歩していますよね。インターネットが登場したのは1990年代です。ここ20数年で技術レベルは信じられないほど進んでいます。
IT業界で働くエンジニアは、超スピードで進化する技術レベルに追いつくことを求められるわけです。技術の進化に追いつけるかどうかは日頃の勉強が物を言いますが、勉強しても実用レベルで身に付くとは限りません。
どれだけ勉強しても、成長が止まってしまうこともあります。それは一時的な停滞であるケースもありますが、そうではないケースもあるでしょう。
真面目に頑張る人ほど、そうなったときのストレスは大きいものです。向いていないと一蹴することは簡単ですが、自分自身にその言葉が言える人は、なかなかいないでしょう。
エンジニアのストレスを解消するためのポイント4選
ここまでエンジニアが抱えがちなストレスを7つ紹介してきました。ここからは、それらのストレスを解消するためのポイントを4つ紹介します。どれも簡単なようで難しいことではありますが、効果は高いですよ。
人間関係は諦めが肝心
人間関係の悩みは、諦めることで解消するケースがあります。
人間関係でイライラするのは、相手が自分の思うようにいかないからという場合が多い傾向があるんです。「悪いところを指摘したのに直らない」「思い通りに動いてくれない」と、イライラします。
ただ、他人はコントロールできません。大人になると、自分自身で気づいて性格を変えること自体が困難です。子供の頃に人格形成は終わるため、大人になって根本を改めるのは不可能だと、心理学では言われることがあります。
ましてや、他人に言われただけで変わるなんてことは、なかなかありません。
人に期待するだけ、時間の無駄です。渋滞でイライラするのと、同じようなものなんですよ。渋滞は確かにイライラしますが、前の車に「遅いぞ!」と怒鳴ったところで解決しませんよね。
そこで、諦めです。
渋滞は起きるものだから仕方がありません。
人間関係も、他人と分かり合うのは難しいのだから仕方がないんです。他人はコントロールできないのだから、仕方がありません。そうして他人に期待することを止めると、人間関係のストレスはいくらか楽になりますよ。
「絶対に勉強はしない日」を作る
業務外に行う勉強も、エンジニアがハードワークになる原因であり、ストレス要因でもあります。勉強することで疲労するのと同時に、常に仕事のことが頭に浮かんでしまうようになり、疲れが取れにくくなるんです。
それを緩和するために、何が何でも勉強はしない日を作りましょう。
その日には、好きなことを堪能したり、徹底的に休んだりしてください。そうすれば、実際には休日が増えたわけではないのに、これまでよりは心身ともに疲れが取れやすくなります。
適度な運動をし、食事はしっかり摂る
食事と運動は、精神状態と密接に関わっています。運動不足になると精神状態が悪化するという研究や、運動を行うことで精神状態が良くなるという研究は多いです。食事についても、同じことが言えます。
食事によって腸内環境が左右されるんですが、腸内環境が悪化すると精神状態も悪化するんです。腸は第二の脳と言われるのは、このためなんですよ。「腹が減ってるから落ち込む」とも、言いますね。
ストレスが溜まってるときは食事も運動も疎かになりがちですし、忙しいと特にそうなることが多いです。
しかし、意識的に食事を摂って運動をしっかり行うようにしましょう。まずは、朝ごはんを抜いている人は朝ごはんを食べること、休日寝てばかりの人は少しで良いので散歩することから始めることをおすすめします。
筋トレも効果がありますよ。
悩みを根本から無くすなら転職が一番
ここまで、エンジニアにありがちなストレスを緩和したり発散したりする方法を紹介してきました。
ただ、これらはストレス要因を根本から消してしまう方法ではありません。ストレス要因を根本から消したいなら、転職が一番の対処法になります。
エンジニアが抱えがちな7つの悩みを紹介しましたが、そのほとんどが職場によるストレスです。これは、自分ひとりの力で変えられるものではありません。他人はコントロール不可能、ましてや企業など個人の力では到底コントロールできませんよね。
だから、転職するのが最も効果的ですよ。
ストレスを緩和したり発散したりしてうまく付き合っていくことが難しいのであれば、嫌な職場からは転職してしまいましょう。
エンジニアがストレスを解消できる職場に転職するためのコツ
転職した方が良いと言っても、エンジニアの転職市場は広大です。道標がなければ、迷ってしまいます。そこで、エンジニアがストレスを解消できる職場に転職するためのコツをひとつ、紹介しましょう。
まず、自己分析を行い、ストレス要因を細かく洗い出します。紙に書いたほうが整理がしやすいので、紙に書きましょう。
最初は箇条書きで構いません。思いついた順に、洗い出します。このときのコツは、ひとつ思いついたら連想ゲームのように「そのストレスに関連する他のストレス」も書き出すことです。連想ゲームが途絶えたら、次のストレス要因に移ります。
どんなに些細なことでも良いので、とにかく書きましょう。
今度は、洗い出したストレス要因を「職場の問題」「職種の問題」「自分の問題」の3つに振り分けます。
例えば人間関係は職場の問題、クライアントとの人間関係は職種の問題です。技術的な悩みは、自分の問題であり、なおかつ職種の問題でもあります。
自分の問題なら、努力で解決できる可能性もあるでしょう。ただ、それ以外は「緩和する方法」「発散する方法」のいずれかしか選択肢がありません。コントロール不可能ですから。
例えば「人間関係は諦めが肝心」と語りました。意識ひとつでストレスを感じにくくするという方法ですが、これで人間関係自体が改善するわけではありません。
次に、それぞれのストレスの度合いも記録しましょう。
これで、そのストレスの問題の根本と、ストレスレベルがわかりました。
書き出したものを見て、自分の問題以外に振り分けたもので、なおかつストレスの度合いが大きいものは緩和や発散にも限界があります。
転職を考えたほうが良いでしょう。
ここまでの自己分析で、自分に転職する必要があるかどうかが客観的にわかります。
ここまで来たら、あと一歩です。
ストレス度合いが大きいものを最優先とし、それを解消できる職場を探しましょう。
コツは、「あれもこれも解消しよう」とはしないことです。全ての悩みから解消される職場は、ごくごくわずか。
一番大きな悩みと二番目に大きな悩みが同時に解消できれば、御の字と言ったところです。
他の転職条件に関しては、少なくとも現状維持を目標にします。
このように転職先選びをすることで、大きなストレスから解消される職場に転職しやすくなるんです。
もし、職種自体の問題に振り分けたストレス要因が一番大きいのなら、職種自体を変える必要もあるでしょう。
その場合、職場を変えるより大きな勇気を伴う決断になります。今の仕事を続けるメリットとデメリットを分析し、それらを照らし合わせてじっくりと考えると良いでしょう。
エンジニアはストレスを抱えがち! 抱えきれないなら転職も考えよう
ここまで、エンジニアによくあるストレス要因とその対策、転職のコツを紹介してきました。エンジニアは多くのストレスを抱えがちです。それでいて、ストレス発散をする時間も少ないという人が多いでしょう。
ストレスと上手く付き合えるかどうかを考え、無理そうなら転職も視野に入れることをおすすめします。
大きなストレスを抱えながら仕事を続けても、いずれどん詰まりに突き当たってしまう可能性が高いです。長い目で見たら、転職するリスクよりメリットの方が大きいと言えます。
まずは、自己分析からはじめてみましょう。