エンジニアの転職経験率は、高いです。さらに、エンジニアの転職目的の多くは、給料アップやスキルアップとなっています。そう考えると、エンジニアの転職は一年目よりも二年目移行が本番になってくるということでしょう。
ただ、一年目で転職を考えても良い場合もあります。
今回は、エンジニアの一年目の転職の良し悪しと、どんな人なら一年目で転職を考えるのもアリなのかについて考えていきましょう。
エンジニアが一年目で転職するメリット
エンジニアにとって、一年目の転職には大きく分けて2つのメリットがあります。少ないと感じるかもしれませんが、それぞれが大きなメリットなので転職を考える人が多いんです。そんな一年目の転職のメリットを紹介します。
ブラックな環境で時間を無駄にせずに済む
これが一番大きなメリットです。
エンジニアは、新卒でブラック企業に入社してしまうケースも多いですよね。IT業界全体にブラック企業が多いということが、その一因になっているのかもしれません。
ブラックすぎる環境に身を置くと、時間が無くなります。残業が増えて家での時間が減り、休日出勤が増えて休みも減るんです。エンジニアにとって、時間が削れることは私生活が荒む以外にも大きな悪影響があります。
勉強ができなくなるんです。
エンジニアは、常に勉強し続けなければ生き残れない仕事ですよね。新しい技術を身に着け、時代に対応していかないと取り残されます。それに、勉強しなければスキルアップもできず、給料も上がりません。
加えて、ブラック企業に勤めることで心も病みます。
スキルアップもままならず時間だけが過ぎ、時間の無駄です。心を病んで後々転職するよりも、早めに転職してしまったほうが良いでしょう。
合わない人間関係から離れられる
エンジニアに限らず、人間関係が合わないということが企業に勤めるとよくあります。全職種共通で転職理由の上位に常に居続けるのが、人間関係です。
人間関係が合わない職場に勤めることには、それだけたくさんのデメリットがあります。
例えば、コミュニケーションによるスキルアップがしにくくなることです。エンジニアは先輩とのコミュニケーションによって教わることも、多い仕事ですよね。人間関係が悪かったりすると、相談がしにくくなってしまいます。
それだけではありません。以下のようなデメリットもあるんです。
- ストレスが溜まり精神に悪影響を及ぼす
- 仕事以外のことに気を取られ集中力が下がる
- 連携ミスによる効率の低下
しかも、人間関係は「無理に馴染んでしまう」こともあります。無理やり馴染むとストレスが溜まるだけでなく、本来の自分がわからなくなることもあるんです。こういったデメリットから離れられるのは、転職の大きなメリットでしょう。
エンジニアが一年目で転職するデメリット
エンジニアが一年目で転職するメリットを語ってきましたが、もちろんデメリットもあります。メリットが大きい分、デメリットも大きいので両方をしっかり留意したうえで転職するかどうかを考えましょう。
すぐ辞める人という烙印を押される
一年目で会社を辞めたという事実は、転職時にかなり不利になります。すぐに辞める人だという烙印を押され、雇ったとしてもまたすぐ辞めてしまうかもしれないと不安になるためです。少なくはないお金をかけて募集をし、他の応募者を落としてまで雇った人がすぐ辞めるというのは会社にとって大きな損失ですよね。
当然、会社は不安材料の少ない人材を雇いたがります。
転職しようとしても、しっかり対策しなければ苦労する可能性が高いです。
対策としては、ネガティブな理由で転職したわけではないことをアピールすることが大切。実際はネガティブな理由だったとしても、それをポジティブな理由に変換してしまいましょう。
面接官もIT業界では劣悪な会社が多いことは理解していますので、多くの場合はネガティブ要因を理解してもらえるものの、ネガティブをネガティブのままありのままに伝えてしまうようですと、印象は良くありません。
少しでも悪印象を和らげなければ、転職は難しいです。
ただ、和らげたとしても、それなりに苦労はします。
後のスキルアップ転職に支障をきたす可能性がある
エンジニアは、40代には3回以上転職を経験しているという人が多いです。20代なら、0回か1回が相場となっています。
歳を重ねるごとに転職回数が順当に増えていくんですが、それはエンジニアはスキルアップやキャリアパスに転職が必要になることが多いためです。つまり、これからエンジニアの仕事を続ける場合は、今後転職が必要になる場面が出てくる可能性が高いということになります。
たとえば数年後、スキルアップのために転職をしようとしたとき、転職回数が足かせになる可能性も否定できません。
長い目で見れば、一年目の転職がマイナスになることがあります。
一年目の転職で給料アップは望めない
給料に不満があって転職を考えている人もいるかもしれませんが、エンジニアとして転職する場合、一年目の転職で給料アップは望めません。転職で給料が上がるのは、企業がその人の実績を考慮して給料を設定するためです。良い人材には、良い条件を出します。
一年目で転職した場合、判断材料が少ないです。そのため、ポテンシャルで採用することになりますが、ポテンシャルだけで高い給料を出す会社は決して多くはありません。
そのため、一年目の転職では給料はほとんど上がらないことが多いんです。
一年経験した後で転職すると、少しは上がる可能性が出てきます。給料を上げたいなら、少なくとも一年は経験を積み、実績を得てから転職したほうが良いでしょう。
一年目でも転職を考えたほうがいいエンジニアとは?
これまで説明してきたメリット・デメリットを照らし合わせて、一年目でも転職を考えたほうがいいエンジニアと、そうではないエンジニアについて考えてみましょう。
一年目でも転職を考えたほうがいいのは、「今の会社がブラックすぎる人」「人間関係が著しく合わない人」です。
転職のメリットを実感しやすいですし、転職しないデメリットの方が転職するデメリットよりも大きいですからね。多少苦労したとしても、合わない職場やブラックな職場で働き続ける苦労とは比較にならないでしょう。
ただ、給料に不満がある人は少なくとも一年は待ったほうが懸命です。まだ、大して給料はアップしませんから。
仕事がつまらないと感じている人も、やはり最低一年は待つことをおすすめします。エンジニアは、一年未満で本当の面白さがわかる仕事ではありません。さまざまな案件を経験し、他の現場のことも知ってこそです。
仕事のことがわかった後で、やっぱりつまらないと感じたら違う分野への転職を考えると良いのではないでしょうか。
一年目のエンジニアに企業が求めることは?
一年目で転職するなら、企業が求める人材であることをアピールする必要があります。
一年目のエンジニアに企業が求めるのは、社会人としての基本マナー、ポテンシャル、学ぶ姿勢です。
特に大切なのは、学ぶ姿勢。
会社は、基本的には自らスキルを身につけることが求められます。エンジニアは特に、自分で勉強してスキルアップしつつ、時には先輩に相談して学びを深めることが大切です。まともな会社なら時代の変化に対応しようと動きますが、人材がそれについていけなければ意味がありません。
そこで会社は、自分でしっかり学んでスキルアップできる人材を欲しがります。
一年目の人材ならなおさらです。実績などから判断できない代わりに、ポテンシャルが求められるということは先程も説明しましたね。ポテンシャルの有無を判断する材料として、学ぶ姿勢がチェックされます。
一年目の場合はスキルがわからないので、スキルアップする姿勢がない人は雇いません。
学ぶ姿勢をアピールするには、履歴書の「長所」に「学び続ける意欲が高い」などと直接書くのが良いでしょう。面接では、具体的に学びを続けてきたエピソードを添えて語れば好印象ですよ。
一年目の転職が成功するかは自分次第! しっかり自分を見つめ直そう
一年目のエンジニアの転職について、さまざまなことを説明してきました。結局のところ、一年目の転職が成功するかどうかは自分次第です。自分の目的次第、自分のアピール次第で結果は180度変わります。
今すぐできることは、自分を見つめ直すことです。
自分の転職目的を見つめ直し、転職したほうがいいかどうかを判断しましょう。転職するなら自分の長所、アピールポイントをしっかりと分析してうまく伝える手段を考えて対策することをおすすめします。
これを機に自己分析を行い、今後の道を定めましょう。