近年、どこの組織にも属さないフリーランスエンジニアが増えています。
その理由は報酬が高い、余計な仕事を頼まれない、正社員の様な人付き合いの煩わしさが無いなどといった理由とともに、以前のような終身雇用はなくなり、よっぽどの大企業でないかぎりまとまった退職金も期待できない為、自己責任の中で働き方自体を考えなければいけない時代になった為だと感じます。
フリーランスのメリットは自分自身の意思で自由に働き方を決められること。自分がやりたい仕事を選べますし、その道で実力を付ければ正社員時代には考えられないような報酬を得ることも可能です。
また正社員では多くの企業がNGとしている副業も自由です。特にテレワーク時代に入った現在はこれまでかかっていた通勤時間を副業に充てることができるようになったため、さらに稼ぎやすくなりました。
その反面、正社員同等の保証はなく、不景気になれば真っ先に契約を切られてしまうのはフリーランスです。目先の利点だけでフリーランスを選ばずに、きちんとした理解の上で挑戦しましょう。
フリーランスエンジニアの働き方
フリーランスには大きく分けて「在宅型」と「常駐型」の2つの働き方があります。
案件ごとに企業と契約を結び、自宅で作業を行う働き方で、一般的には請負契約を締結します。請負契約の場合は納品した成果物に対して報酬が支払われます。
案件ごとに契約先の企業に常駐して業務する働き方。1~3ヶ月などの定められた期間ごとに契約し、更新を行っていきます。報酬は契約締結時に定めた金額を、契約締結時に定められた期間ごとに(基本は毎月)支払われます。
当サイトではエージェントを介して常駐型での働き方について説明します。
常駐フリーランスエンジニアの魅力・メリットとデメリット
正社員としてどの様な技術・フェーズ・ポジションを経験してきたかによりますが、近年ではITエンジニアとして最低2,3年の経験があれば常駐フリーランスエンジニアとして活躍できるチャンスはあります。フリーランスエンジニアになる魅力を下記にピックアップします。
常駐フリーランスエンジニアのメリット
- 正社員と比較して貰える報酬が高い
- 自分のやりたい仕事を選べる
- 月額で報酬をもらえるため、在宅型よりも安定する
- 常駐の契約でテレワークができる案件が増えてきている
- 勤務地や勤務時間などの希望を叶えられるケースも多い
- 正社員でよくありがちな煩わしい上下関係・人間関係に関わらなくてすむ
- 契約した業務以外の仕事を引き受けずに済む
- IT業界は以前と比べて残業が大幅に減っている
- 自由に副業もできる
逆にフリーランスエンジニアになることで生じるデメリットもあります。
常駐フリーランスエンジニアのデメリット
- 仕事が不安定である
- 確定申告をおこない税金を自分で支払う必要がある
- 正社員のような福利厚生がなく会社から生活が守られない
- 体調など自己管理が正社員より厳しい。休めばお金は貰えません
フリーランスエンジニアの契約は3ヶ月単位など期間毎での契約となるため、長期プロジェクトの途中であってもフリーランスのパフォーマンスや様々な要因によって契約期間で打ち切られてしまうケースもあります。
その際は、契約している期間内は契約業務をおこないつつ、次の仕事も営業しなければならないといった状態になります。
ここ数年はエンジニア不足の状態が続いていますので、業務態度やパフォーマンスに問題がなければ途中打ち切りになることも少ないですし、終了となってもすぐに次の仕事を見つけられますが、契約終了のリスクがあることは十分に理解しておく必要があります。
フリーランスエンジニア向けエージェントとは
さて、正社員から独立してフリーランスとして働く際にまず行うのが営業活動です。
これまでの人脈や営業力で直接常駐先顧客と契約できるフリーランスも稀にいますが、そういった営業は簡単ではありません。直接フリーランスと契約できる顧客も少ないですし、これまで営業経験の無いエンジニアが突然営業しようにもどうして良いかわからないはずです。
現在主流となっているのは、フリーランス向けのエージェントを介して現場常駐するかたち。フリーランス向けのエージェント会社は、登録したエンジニアのスキルや報酬・勤務地など希望条件に合った仕事を紹介し、面倒な契約処理などを代行してくれる企業のことです。
転職エージェントとの違いは?
フリーランスエンジニア向けエージェント会社は、エージェントと言っても転職エージェントのように就職先を紹介する(就業先を紹介する)のではありません。
基本的にはエージェント会社自体がシステムインテグレーター(SIer)としての事業体を持ち、エージェント会社がクライアントから請けているプロジェクトにフリーランスをアサインする形となります。
その為、契約自体も就業先のクライアントではなく、エージェント会社との契約となり、フリーランスエンジニアから見るとエージェント会社がクライアントという位置付けになります。
転職エージェント会社の場合
転職エージェントは転職先企業の紹介がサービスで、契約は転職先企業と雇用契約を結びます。
フリーランス向けエージェント会社の場合
エージェント会社がSIerとしての業務を営んでおり、エージェント会社がクライアントから請けた業務を支援するためにフリーランスとエージェント会社が契約を締結します。
エージェントが対応する5つのサポート内容
フリーランス向けエージェントの主な業務は、フリーランスの経歴を確認するとともにこれから対応していきたい技術やフェーズ、勤務地・報酬などの条件をヒアリングして、それに見合った就業先を紹介してくれるといったものです。
また、フリーランスの契約は準委任契約となるケースが大半ですが、エージェント会社が指揮命令者として業務参画中のフォロー、条件交渉などもおこなってくれます。
1.ヒアリング面談
まず最初におこなうのが、これまであなたが経験してきた業界・案件・規模・技術・フェーズ・担当ポジションなどをヒアリングするとともに、今後どういった仕事をしていきたいか、どんな働き方をしていきたいか、将来はどうなりたいかなどをヒアリングする面談です。
また、いつからフリーランスとして働けるか、希望報酬や勤務地・勤務時間といった条件も共有します。
また、面談はあなたがエージェントを面談する場でもあります。
別途詳しく説明しますが、そのエージェント会社が質の良い案件を持っているのか、また単なる営業会社ではなくエンジニアに対して親身に接してくれる会社であるかなど、そういった目で相手を見るようにしてください。
2.案件紹介
つづいてエージェント会社からの案件紹介です。即日の就業を希望しておりあなたの経歴にマッチした案件があればその場で仕事を紹介してくれるケースもありますし、後日改めて紹介されるケースもあります。
また、技術領域やフェーズによって案件数が多い・少ないがあります。主流になっている技術を対応できる方は山のように案件もありますが、ニッチな技術や経歴を積んできた方は、そういった技術・経歴を活かせる案件がなかなか見つからないケースもあります。
タイミングよく見つかれば高待遇が期待できますが、エージェント側もそういった案件を確保できていないケースも多いため、複数のエージェントに登録した方が良いでしょう。
3.面談調整
さて、紹介された案件にエントリーすることが決まったら、参画先の現場担当との面談の場が設けられます。
こういった面談調整の段取りもエージェント側の仕事です。
また、スケジュール以外にも面談時のフォローも重要な仕事。慣れている担当であれば、きちんと現場担当者をグリップし面談を和めてくれたり、エンジニアが回答に詰まってしまった際にフォローしてくれる営業もいれば、面談中一言も喋らないような営業もいます。
4.契約条件の交渉
面談終了後に、エージェントは双方の合意をとります。参画先の顧客からの合格通知をうけて、あなたもその案件にエントリーする旨を伝えれば契約手続きとなりますが、その途中で単価交渉など様々な調整事項が発生します。そういった諸問題を取りまとめてスムーズな契約に結びつけるのもエージェントの役目です。
5.現場参画後のフォロー
現場参画後にもエンジニアが働きやすくするための様々なフォローを行います。
参画先の担当者からみた評価をあなたに共有したり、また実際にプロジェクトに参画してみると様々な問題が生じることも多く、そういった問題を吸い上げて顧客と調整していくのもエージェントの役目です。また継続契約の交渉、報酬アップの交渉などもエージェント側が実施いたします。
どんな人がエージェント利用しているの?
実際のところITエンジニアとして現場に参画しているフリーランスの99%以上がエージェントを介して仕事を受けています。中には正社員時代に築いた顧客との関係性であったり、自身の営業力で顧客と直接のコンタクトをとり仕事をもらえる方もいますが、そういったケースはごく稀です。
これまで営業をしたこともないのに突然自分の就業先を探すといっても無理があります。
仕事が決められないリスク、もし仮に決まったとしても契約が終了してしまった際のリスクを考えたら手数料を取られたとしてもエージェントを介した方が安心です。