20代中盤から後半の常駐SESエンジニア・フリーランスと転職どちらを選ぶべき?

エージェント会社

IT会社に就職し、常駐エンジニアとして働き始めて数年。

20代中盤から後半になると、別の会社に転職すべきなのか、それともフリーランスとして独立すべきなのかを悩む時期が必ずやってきます。

この記事では、私自身の経験・これまで多くのエンジニアを見てきた経験から、初めて転職やフリーランスへの独立を考えるエンジニアの選ぶべき方向性をお話しします。

20代中盤〜後半の常駐エンジニアが抱える会社に対してのよくある悩み

エンジニアとして働き始めて数年、いくつかの案件など経験を積み、一人称で活躍できる幅が広がってくるのが20代中盤から後半のタイミングです。

これまでは与えられた作業をがむしゃらに対応してきたのに対し、少しずつ周囲を見ながら仕事を進めることもできるようになり、また自身の得意分野やエンジニアとしてやりたい方向性が見えてくる時期でしょう。

一つのプロジェクトのリーダーを任される方もいらっしゃいます。エンジニアとして油の乗り始めた時期といって良いのではないでしょうか。

しかし常駐がメインの正社員エンジニアの場合、この年代になってくると様々な悩みや問題が生じてきます。

一例として、

  • エンジニアとしてキャリアを積みたいが、会社からは管理側のミッションを要求される
  • 後輩の面倒や問題時の責任を押し付けられる
  • 採用活動、会社イベントなどエンジニア業務以外の仕事を押し付けられる
  • 会社の都合でプロジェクトを決められ、やりたい技術ができない
  • 常駐現場に対して会社からのフォローはほぼなく、現場の仲間との関係の方が深くなる
  • フリーランスや他の会社で働くエンジニアとの給与の差に気づく

会社からはやりたい技術ではない案件を押し付けられ、会社命令でエンジニア以外の仕事もやらされる。挙句に現場に対してのフォローも一切ない。

こんな状態が続けば、悩みが深くなるのは当たり前です。このままこの会社で正社員として仕事を続けて良いのか悩むのは当然でよね。

会社が常駐エンジニアに対して求めるもの

常駐ビジネスを生業としている会社が考えていることは、大きく分けて以下の二つです。

  1. 受託案件獲得やサービス開拓を目的に現場常駐させ、顧客と信頼関係を構築するとともにスキルを蓄積させる
  2. 単なる人月工数ビジネスとして、多くのエンジニア採用・SESで現場常駐させ、毎月の安定した売上を確保する

本気で1を考えて常駐ビジネスを行っている会社もありますが、最初から2だけを考えている会社も圧倒的に多いです。

1を考えて事業を始めたものの2に落ち着いてしまったという会社も多くあります。

どの会社であっても、社会貢献であったり、受託案件の獲得、スキル向上などの大義名分を掲げてエンジニアを常駐させますが、結果を突き詰めていけば、

「現場に常駐させれば楽に毎月安定した売上と利益が見込める」

これだけです。

経験年数5年前後のエンジニアであれば、会社の立ち位置やスキルにもよりますが60〜80万の売上が毎月見込めます。

常駐しないで同じ売上を稼ごうとしたら大変ですが、常駐ビジネスであれば、最悪顧客を持っていなくとも、世間に溢れている案件にエントリーすればそれだけの売上が立つのですから、そんなに楽で美味しいビジネスはありません。

その為、常駐ビジネスから脱却できない(脱却しようともしない)会社が圧倒的に多いし、増えるのです。

全ての常駐がダメではない・意味ある常駐か意味のない常駐かを考える

ちなみに常駐ビジネスが全てダメだと言っているのではありません。私は意味のある現場常駐と意味のない現場常駐があると思っています。

受託がメインの最大SIerであっても、売上の一定割合は常駐ビジネスです。ただ、そういった企業は常駐ビジネスを体系化して前向きに取り組んでいます。

クライアントのITシステム全般の運用に入り込み、課題を洗い出して新たな受託案件を開拓する。自社サービスやソリューションを販売するための関係を作るなどです。

目的を持ってSESを行っている会社であれば、正社員エンジニアとして働く価値を見出せるでしょう。

自分が築き上げた顧客との信頼関係から発展して、自社の新しいビジネスに繋がったなんて成果を認められれば会社の一員として働くことに対してもやりがいを感じられること間違いありません。

また、そのような会社は夢があります。エンジニアを現場常駐させることで、単なる人月ビジネスで終わらせず、より大きな収益を上げようと行動しているのですから。

そのような会社の傾向は、社員一人当たりの売上平均が、現場常駐で得られる売上以上になっています。

しかし、その反対に常駐ビジネスだけをメインで考える企業もあります。

受託やら自社開発やらの理念は上げているものの、いつまで経っても常駐ビジネスから抜け出そうとせず、ただ社員数だけを増やしていく会社です。

人月の積み上げがベースになる常駐ビジネスは、何人採用して何人常駐させるかが会社の売上・利益の指数になります。

特にこの数年(特にコロナ前)ひどい人材不足であるため、人さえ採用すれば売上が確保できるという状態で、未経験でも採用さえできれば現場に常駐させて売上が確保できるという状況なのです。

当社は教育制度が整っているから未経験でも安心!

このようなコピーでアプローチしている企業は多く見かけますが、この手の企業に入社したあとは一定割合で以下の流れになります。

  • 入社後に1〜2ヶ月の研修を実施(Java、Linux、Networkなど)
  • 研修期間中に常駐先の面談を進め常駐先を決定させる
    • 研修よりも面談が最優先
    • 案件内容よりも業務に参画することが優先で希望は聞いてもらえない
    • 自社の先輩がいる現場に入れることはほぼなく、一人現場
    • 場合によっては研修中であっても研修を打ち切って現場に参画
  • 研修終了後、一人でその現場に参画
  • 現場参画後は放置プレイが続く
    • 営業は採用と参画先を決定させることがメイン業務であるため、参画後のスタッフをフォローすることができない
    • エンジニア一人ひとりの価値を上げることを考えていないため、参画後にキャリアップの話は無い
    • スキルにつながらない現場であっても、顧客から契約打ち切りの話が来るまではずっと居させられる

ちなみにこういった会社は、社員一人当たりの平均売上が500万にも満たないケースもあります。社員100名もいるのに関わらず、年商6億円程度しかない会社も多くあるのです。

結論、後者のような会社での現場常駐ビジネスに関わるのは、エンジニアにとって意義が薄いものであることは間違いありません。

そのような会社でも、運良くキャリアを積める現場に参画できたのであれば、2,3年そこで経験を積んで、次の会社にステップアップするくらいです。

転職・フリーランス独立のタイミングについて

今すぐに転職すべき、またフリーランスへの独立を視野に入れるべきといったポイントをお話しします。

今すぐ転職を検討すべきケース

運用監視・オペレータ、キッティング、テスト案件など、継続してもスキルアップにつながらない案件にアサインされてしまい、スキルアップが見込める現場へのスライドの話も出ない、相談しても聞いてもらえないケースでは直ぐに転職を考えるべきです。

「この現場には、こういう理由でいつまでいて欲しい」という、具体的な話があれば別ですが、会社側からのフォローがないのであれば長居する必要はありません。

ちなみにこういった案件にアサインされて放置されることを、業界では「塩漬け」と呼びます。

就職したら少なくとも3年はという話もありますが、スキルにつながらない現場経験を積むのは1年〜1年半で十分です。

同じIT業界での転職であれば、短期間の職歴しかなくても前向きに評価してもらえるでしょう。

とは言え、1年未満での転職になってしまうと職歴としてよろしくない(続けられないと判断されてしまう)ので、1年〜1年半のスパンで考えるのが良いです。

ついでにそのような現場に5年、7年と居座り続けるエンジニアもいますが、それはそれで転職には逆効果です。技術習得が出来ない現場に居座ることで「向上心が無い」と判断されます。

長くとも3年以内には次を考えた方が良いでしょう。

転職にあたっては、自分の武器になる資格取得や、自主勉強は必ずしておくようにしておきましょう。

何の武器も持たずに転職すると、次の会社でも同じような現場にアサインされてしまうことになりかねません。

なお、このタイミングではフリーランスを選択するのは難しいです。

ある程度の技術的な経験を持ってからでないと、エージェントに登録したとしても仕事を紹介してもらえません。

経験値を積むためにも技術的案件にチャレンジできる会社へ転職しましょう。

フリーランスに挑戦すべきケース

いくつかの構築や開発案件に携わり、詳細設計以降のフェーズに携わっているのであれば、その技術がよほど枯れた技術では無い限り、フリーランスに挑戦しても仕事を紹介してもらえるチャンスは十分にあります。

一定の経験を積んだ上で、自身のやりたい方向性と会社が求める方向性にズレが生じるのであれば、転職またはフリーランスに挑戦してみるのも良い選択肢です。

ちなみに20代中盤から後半のタイミングで、エンジニアとして登っていきたいのであれば、転職ではなくフリーランスへの挑戦をお勧めします。

理由は、フリーランスであれば自分がやりたい技術を追求していける為です。

もし、将来正社員に戻る形になったとしても、技術を追求した上で正社員に戻るのであれば高い評価を得られるでしょう。

とは言いつつ、フリーランスとして働いていくには向き不向きがあります。

正社員よりも高い報酬をもらえる反面、仕事を得られるかどうかは自己責任ですし、仕事が得られなければ収入がなくなってしまいます。

フリーランスに向いている方の特徴は、

  • エージェントやクライアントとコミュニケーションが取れ協調性を持って働ける
  • 約束や納期はきちんと守ることができる
  • 遅刻欠勤などの勤怠不良が無い
  • 業界の動向をキャッチアップして必要な学習を積むことができる

といった社会人として当たり前のことをしっかりとできる方です。その上で技術力を持つ方がフリーランスには向いています。

正社員であれば最悪現場で契約を切られてしまっても、会社が守ってくれますが、フリーランスではそうはいきません。