システムエンジニアが、所属している企業から独立してフリーになる事は珍しくありません。フリーになったエンジニアからは「勤務が自由になった」「報酬が大幅アップした」という声もあるので魅力的ですよね。
ただ、フリーランスのエンジニアには向き・不向きがあるのも事実。フリーに転身しても思うように仕事が受注できない人もいます。
そこでこの記事では、IT業界をはじめとする人材業界で5年営業を務めた私が
- フリーランスのメリット・デメリット
- フリーランスと会社員の違い
- フリーランスが向いているエンジニアの特徴5つ
を解説します。
「いつか独立したい!」「もっと稼ぎたい!」と思っているエンジニアの方は必見です。
フリーランスエンジニアのメリットデメリット!会社員とは何が違う?
まずは、フリーランスと会社に属するシステムエンジニアやプログラマーの違いを見ていきましょう。
フリーランスと会社員の違いとしては以下のようなものがあります。
フリーランス | 会社員 | |
社会保険 | 国民年金 国民健康保険 |
厚生年金 保険協会の健康保険 雇用保険(失業保険) |
報酬(給与) | 案件により変動 | 毎月固定 |
勤務地や勤務時間 | 自由に選べる | 希望は聞いてもらえるが、基本は会社の決定による |
これらの違いがどんなメリット・デメリットになるかを紹介します。
フリーランスSEのメリット
エンジニアがフリーランスになると、以下のようなメリットがあります。
- 高単価を狙いやすい
- 勤務時間や勤務地を自分で選べる
- 複数案件を同時にこなすことも可能
一番のメリットが、高単価が狙いやすいという事です。家賃・間接部門の人件費などの経費がないぶん、会社員の給与よりも高く感じる案件が多いでしょう。
月々の手取りが30万円に届かないエンジニアでも、1案件で月50万円の報酬が得られるパターンも珍しくありません。
また案件自体を自分で選べるので「勤務地」「勤務時間」は自由ですし、就業規則もないので時間に余裕があれば複数案件を同時にこなしても問題ありません。
フリーランスSEのデメリット
逆にフリーランスエンジニアが感じる可能性があるデメリットは
- スキルにより仕事が不安定になる
- 年齢が上がると更新が厳しくなる可能性がある
- 社会保険の負担が増える
- 確定申告等の事務作業が面倒
- ローン(特に住宅)が組みにくくなる
という事です。
どの業界のフリーランスにも言える事ですが、自分で仕事を取ってこないといけないので受注がなくなると無収入になります。また一般的に判断力が低下すると言われる50代以降は、クライアント側が敬遠するので受注が難しくなる事も。
会社員では天引きされていた社会保険料(年金・健康保険)も自分で払う必要があり、しかも負担額は1.5倍~2倍になる事が多いです。将来受け取れる年金も少なくなりますが、全体的に受け取れる額が減ってきているのでこちらは気にしなくて良さそうです。
家や車でローンを組むのもフリーランスは審査が厳しいので、フリーランスになる前に家は買っておいた方が良いでしょう。
フリーのSEがおすすめな人の特徴5つ!会社員でモヤモヤしている人必見
フリーランスのエンジニアにはメリットもデメリットもありますが、個人のスキルや性格によりデメリットよりもメリットの方が大きくなります。
続いては、フリーランスに転身しても成功しやすい人の特徴を紹介しますね。
①スキルの幅が広い・経験値が高い
経験がある言語やシステムの種類が多いと、その分受注の幅が広くなります。2020年現在、需要があるのは言語で言うと「Java」「PHP」「C#」、システムの種類でいうと「基幹系」「Web系」が比較的多いです。
また、設計図やテスト指示書が書けるだけの人よりも、マネジメントや下流のコーディングやテストまで出来ると仕事がより途切れにくいでしょう。
②チャレンジ精神旺盛でモチベーションが高い
性格面では、自分の知らない分野にも飛び込んでいける性格だと現場でも重宝されスキルアップにも繋がります。
「もっと現場やシステムを良いものにしたい」と思えるモチベーションの高さもフリーランスには欠かせません。指示を与えられてこなすだけの現場もありますが、規模の小さい案件だと自発的に作業をこなすことが求められてきます。
③自己PR能力やコミュニケーション能力に自信がある
いくらスキルが高くても、自分の事を知ってもらえなければ仕事も増えませんよね。また現場できちんと仕事をしていたとしても、アピール不足でスキルがきちんと評価されない事も。
単価アップや高単価の仕事を狙うなら、コミュニケーション能力はマストです。
④スケジュール管理や体調管理が得意
体調不良で仕事ができない期間があるとフリーランスは当然「無収入」になります。なので、体調を崩しにくい人や自己管理ができる人はフリーランスでも問題なく勤務できるでしょう。
またフォローする人(同僚や上司)がいないフリーランスは、納期や仕事のスケジュール管理も必須です。計画立てて仕事を進められる人も、フリーランス向きと言えるでしょう。
⑤今よりも収入をアップさせたい
今の職場でスキルが適正に評価されていないと感じる人は、フリーランスで収入に満足できる可能性があります。フリーランスでは1ヶ月の収入が20万円アップすることも珍しくありません。
転職でも収入アップすることはありますが、大手SIerに入社できたとしても大幅アップ!とはならないでしょう。
IT営業が見た!フリーランスSEに転身して大成功した例
ITの営業をしていた中で、印象的な「フリー転身劇」がありました。
30代後半のシステムエンジニアKさんは、会社員時代は年収500万円台(月々の手取りは28万円ほど)でした。Web系のシステムを中心に15年以上の経験があり、直近のプロジェクトではマネジメント業務も行っていました。
首都圏以外のシステムエンジニアの給与としては平均的なのですが、なかなか上がらない給与にKさんはフリー転身を考え始めます。そんな時、エンジニア仲間から誘いを受けて月額60万円のマネジメント案件の誘いを受けて退職し、フリーとして参画することとなりました。
ところがこの案件は短期で、たった半年で終了してしまいます。Kさんはまだ30代後半と若いので再度就職活動をする事もできましたが、自分で仕事を進めるフリーランスが向いていると感じたKさんはエージェントを使って案件探しました。
すると1ヶ月も経たないうちに年単位のマネジメント案件に参画決定。現在も途切れずに契約が続いていて、年収は750万円ほどに大幅アップしました。
【まとめ】フリーSEに必要なのは技術力だけじゃない!でも成功すれば収入アップ
エンジニアがフリーランスに転身するメリット・デメリットや、向いている人の特徴を紹介しました。スキルが高くても、自己管理やコミュニケーションが弱い人はフリーランスで成功しないかもしれません。
逆に言うと、スキルが多少足りない部分があっても上手く案件を探したりスケジュール調整したりできるとフリーランスでも収入が大幅に上がる可能性がありますよ。
フリーランス向けの案件を扱うエージェントには、高額報酬案件や比較的安定している長期案件も豊富に揃っています。まずはどんな案件があるか検索してみるのも良いですね。