ウェブデザイン技能検定はWeb業界唯一の国家資格です。
これからWebデザイナーを目指す未経験者や、フリーランスを目指すWebデザイナー、またウェブサイト制作に関わる全ての方に、ウェブデザイン技能検定を取るメリットや資格試験の概要を紹介します。
ウェブデザイン技能検定とは?
ウェブデザイン技能検定とは、特定非営利活動法人「インターネットスキル認定普及協会」によって実施されており、ウェブサイト制作に必要な知識やスキルを持っているかを問う試験です。
Webデザイナー系の資格には以下のような資格がありますが、国家資格になっているものはウェブデザイン技能検定のみです。
- ウェブデザイン技能検定
- Webクリエイター能力認定試験
- HTML5プロフェッショナル認定資格
- Photoshop®クリエイター能力認定試験
- Illustrator®クリエイター能力認定試験
- アドビ認定エキスパート
合格すれば、履歴書・経歴書、名刺などに「ウェブデザイン技能士」と記載することができ、デザイナーとしての信頼性や認知力の向上に役に立つでしょう。
受験概要
試験の種類としては3級から1級までとなり、受験概要は下記となります。
3級はどなたでも受験が可能ですが、2級以降は手前の級の取得もしくは、受験資格を満たしている場合に受験が可能です。
3級 | 2級 | 1級 | |
受験料 | 学科:5,000円(非課税) | 学科:6,000円(非課税) | 学科:7,000円(非課税) |
実技: 5,000円 (35歳以上) または3,000円(35歳未満) |
実技: 12,500円(35歳以上) または7,000円(35歳未満) |
実技:25,000円(非課税) | |
出題形式 | 学科・実技 | 学科・実技 | 学科・実技・ペーパー実技 |
合格基準 | 7割以上 | 7割以上 | 7割以上 |
合格率 | 約55%(累計) | 約38%(累計) | 約11%(累計) |
受験資格
1級 | 【実技試験】 ・1級の技能検定において、学科試験に合格した者 【学科試験】 ・7年以上の実務経験を有する者 ・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了後、5年以上の実務経験を有する者 ・大学卒業後、3年以上の実務経験を有する者 ・高度職業訓練修了後、1年以上の実務経験を有する者 ・2級の技能検定に合格した者であって、その後2年以上の実務経験を有する者 |
2級 | ・2年以上の実務経験を有する者 ・職業高校、短大、高専、高校専攻科、専修学校、各種学校卒業又は普通職業訓練修了した者 ・大学を卒業した者 ・高度職業訓練を修了した者 ・3級の技能検定に合格した者 |
3級 | ・ウェブの作成や運営に関する業務に従事している者及び従事しようとしている者 |
詳細に関しては、下記をご覧ください
問題内容や学習期間
出題範囲は幅広く、インターネットの仕組み、ネットワーク、規格、セキュリティ技術、運用、ウェブ標準、また、ページデザイン、インタフェースデザイン、ユーザビリティなど。
ウェブサイト制作を進めていくにあたっての必要な概念など全般的な知識が求められます。
単なるデザイン、単なるコーディングのみでなく、サイト制作における全般的な知識・能力を示すのに有効な資格です。
具体的な出題範囲は公式サイトに公開されている出題範囲をご覧ください。
合格率や難易度は?
3級の場合、Webデザイナーの資格試験の中では易しめの方で、学習期間は1ヵ月ほどあれば十分合格可能とされています。合格率は約60%です。
2級は30~40%、1級は10%と難しくなる傾向があるので、しっかりと対策を練る必要があります。
(出典:https://www.webdesign.gr.jp/faq/ よくある質問集より)
ウェブデザイン技能検定資格を取るメリット
資格を習得したら、どう活かせるのか気になる方も多いと思います。ウェブデザイン技能検定はWeb業界で活躍したい、フリーランスとして活躍したい場合の客観的な証明として有用な資格です。そのメリットを3つ紹介いたします。
実務に活かすことが出来る。
ウェブサイト制作では、インフラはインフラ担当、デザインはデザイナー、コーディングはコーダーと完全分業されているケースもあれば、インフラからデザインまで一通りを見る必要があるケースもあります。
本資格では、ネットワーク通信の仕組みから実際のデザイン、コーディングまで幅広い知識を求められます。
制作担当者が一人でネットワークからデザインまで全般を見るスモールサイトを構築するケースには当然役立ちますし、また分業されている大規模なサイト制作においても他の技術担当との打ち合わせがスムーズに進められるようになります。
また、デザイナーだけでなく、全体を把握してプロジェクトを進行していくディレクターが学ぶべき資格としてもおすすめです。
なお、本資格では筆記のほかに実技試験もあります。
実際に用意されているPCを使用しながらバナーや素材の作成、コーディングまでを行うので、ウェブサイト作成においての実務能力が問われる試験となっています。
実務に活かせる事のほかに、Webデザインの基礎をもう一度確かめたい、自分のスキルや知識を客観的に証明したい方に向いているといえるでしょう。
Web業界で唯一の国家資格であること
ウェブデザイン技能検定は、Web業界において唯一の国家資格。国家資格は国や国から依頼を受けた公的機関が、公正な判断を通して資格を与える制度です。
他の無数にある資格よりも知名度があるので、所有者のデザイナーとしての信頼性や認知度の向上に繋がります。
ウェブデザイン技能検定はウェブ制作において、レイアウトや掲載する写真のデザイン、ユーザーに取って使い勝手の良い設計(ユーザリビティ設計)など、幅広い範囲に渡り、デザインの知識とスキルが問われます。
一度合格すると「ウェブデザイン技能士」と名乗る事が可能です。
またウェブデザイン技能検定は、一度資格を取得すると資格の更新をする必要が無いです。資格によっては何年以内に上位または同じ難易度の資格を取得しないと権利が無くなってしまうものもあるので、その点は大きなメリットでしょう。
フリーランスとしてこれから活躍したい人におすすめ
資格の習得は会社勤めであれば、手当や報奨金がつくケースがあるので推奨されるケースも多いと思います。
フリーランスの場合は、資格が無ければ働くことが出来ないということもないですし、どちらかと言えば実務経験が重視されます。
しかしながら、フリーランスとして仕事の軌道に乗っていない場合は、資格の取得することで仕事の受注に繋がるケースがあります。
また、資格の習得に掛かった費用は経費として計上出来るので、無駄にはなりません。そのため、フリーランスとして活躍を考えている方にもオススメの資格です。
ウェブデザイン技能検定は将来こんなキャリアを積みたい人におすすめ
ウェブデザイン技能検定検定は、デザイナーだけでなく、コーダー、フロントエンドエンジニア、またディレクターまで、ウェブサイト制作に関わる方全般に取得いただきたい資格です。
それぞれのポジションでは、他の担当とのやり取りで意思疎通に悩むケースも多いでしょう。資格を習得してウェブサイト制作における全体的な知識を習得することで、各ポジションの意図を正しく理解することができ、業務の効率化につながります。
まとめ
今回はウェブデザイン技能検定の概要やメリットについてお話させていただきました。
現在では資格取得を推奨する企業が増え、一時報奨金や昇給、役職の評価基準にも取り入れられています。ウェブデザイン技能検定は実務に活かす事のできる資格なので、資格を取っても無意味ということはありません。資格を積極的に取得することでフリーランスとして活躍の場も広がるでしょう。
Web業界で活躍したい方、Webデザイナーとしてキャリアアップしたい、年収を上げたいといった方、資格のチャレンジ。してみませんか?