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常駐フリーランスエンジニアのトラブルで最も多いのが勤怠トラブル

常駐ビジネスでは日々様々なトラブルが発生します。特にフリーランスの場合は、正社員の常駐ビジネスと比べると高い比率でトラブルが発生している実情があり、トラブル率の高さからフリーランスとの契約を嫌がるクライアントやSI会社もあるレベルです。また、トラブルの中でも最も多いと感じるのが勤怠トラブルです。

フリーランスとして常駐している大半のエンジニアは、自身がプロとして技術を提供する立場であること・事業主であることを認識して現場で高いパフォーマンスを発揮している反面、中にはプロとしての自覚がないままフリーランスエンジニアになってしまうケースも多いのが実情なのです。

私自身、エージェントの立場として多くのフリーランスエンジニアと付き合ってきましたが、軽いものから重たいものまで様々な勤怠トラブルを対応してきました。今回は実例も混ぜて勤怠トラブルについてお話しします。

目次

現場常駐フリーランスエンジニアの勤怠トラブルについて

実際に起きた勤怠トラブル

冒頭でもお話ししましたが、常駐ビジネスで最も多いのが勤怠トラブルです。遅刻、欠勤などを当たり前のように繰り返してしまうケースですね。

準委任契約では本来客先から勤怠を細かく管理されない事が前提です。しかし現場で働く以上はチームプレイが前提ですから、一人が勤怠不良を起こしてしまうと現場全体に迷惑をかけてしまうことになります。

勤怠トラブルを起こすエンジニアは、勤怠不良が癖になってしまっているケースが多く、一度や二度指摘したとしても改善されません。同じことを繰り返す傾向にあります。

月に何日も休む、定常的に5分〜10分程度の遅刻する、午前半休が続くなど様々です。

ごく健康な社会人から見たら、月に数回も体調不良で休むということ自体が考えづらいですよね。年を通しても風邪などで数日お休みする程度が一般的で、もし月に何日も体調不良で休まざる得ないのであれば、何らかの病気を疑ってしまうと思います。

しかし勤怠不良を起こす方にとっては、毎月体調不良で何日も休みを取る事が当たり前になってしまっているのです。

また、月末になると休みがちになるフリーランスもいました。

なぜ月末に休むかというと、準委任での契約は140h-180hなど基準時間を定められているケースが多いのですが、その基準時間の最低時間だけ働こうという考えから意図的に起こすようです。

仮に基本報酬が60万円、基準時間が140h-180hの契約であったとすると、140〜180時間までは60万円支払います。140時間を下回ったら1時間につき○○円づつ控除します。180時間を上回ったら1時間につき○○円づつお支払いしますという契約です。

1日8時間、月20営業日で考えて160時間をベースにし、上下20時間程度は誤差で処理しましょうという考え方の契約になるのですが、労働提供側としては140時間で終わらせるのが一番効率よく、クライアント側としてはMaxの180hを働いてもらうのがありがたい契約になるんですね。

このような契約を盾にして、月の途中で140時間が見えてくると仕事を休みだして、毎月140時間ほぼジャストで納めてくるフリーランスの方がいらっしゃるんです。月末ってプロジェクトの納品対応が追われるケースが多いのですが、プロジェクトの都合はお構いなしです。

仕事のボリュームが少なくて140時間ギリギリになるのであればわかりますが、納期が迫っており周囲のメンバーも忙しい中で、一人だけ状況基準時間の最低ラインぴったりな稼働報告が数ヶ月も続くと、流石にクライアントもストレス溜まりますよね。

ちなみにこのようなトラブルは正社員や派遣社員で起きません。休みを取得すれば有給を消化する形になるからです。

勤怠トラブルでエージェントはどのような対応を取らざる得ないか

頻繁に勤怠不良を起こすエンジニアから見ると些細なことのように感じられているようですが、エージェント側の立場からするとこれほど嫌なトラブルはありません。

勤怠トラブルの場合、顧客との交渉余地は無く、厳しいクレームを一方的に受けることになります。

当然ですが勤怠改善を求められます。改善が出来ないのであれば交代要員を求められます。

勤怠改善で行うことは、

  1. まずは本人に対しての改善命令
  2. ダメならモーニングコール(電話が繋がらなければ迎えにいく)
  3. それでもダメなら毎日家庭訪問してエンジニアを連れて現場に行く

まで発展します。

私もこれまでに2回ほど3番まで発展したケースを体験しており、一番大変だったのは、2ヶ月間毎日2時間かけてフリーランスエンジニアの自宅まで行き、現場まで連れていくという対応をした時期もありました。

ちなみに3ヶ月目から家庭訪問における勤怠フォローは終わりましたが、そのフリーランスエンジニアは4ヶ月目にまた勤怠管理を起こし、自分の都合で現場を離れていきました。

プロジェクトの途中で退場したいと言い出したので、その退場調整も本当に苦労しました。

様々な改善処置を行っても勤怠が改善しない場合は、契約終了になるとともにエージェントの責任によって交代要員を求められます。エンジニア不足の時代において交代要員を探すのはとにかく難易度が高いです。

そして、交代時の引き継ぎ費用もクライアントに請求はできずエージェント側が負担するケースも普通にあります。紹介したエンジニアの勤怠が悪くてプロジェクトに迷惑をかけている上に、交代要員の引き継ぎ費用を出せとは中々言えません。

法的には働いた時間に対してクライアントが支払うべきかもしれません。強気に請求すれば支払ってもらえる可能性は高いですが、そのクライアントとの関係は悪化します。

一方、勤怠不良を犯して迷惑をかけたエンジニアに対して、エージェントは働いた分は満額を支払わざる得ません。これまで、「自分は勤怠不良を犯して現場にもエージェントにも迷惑をかけてしまったからお金は要りません。」もしくは「引継ぎ費用だけでも負担します」と言ってきたケースはありません。働いた分はきっちりと請求をかけてきます。

エージェント側は、理不尽さは感じつつも働いた分に対して報酬を支払い、そのフリーランスとの契約を打ち切ります。

なぜフリーランスはトラブル率が高い

さて、勤怠不良を頻繁に起こすフリーランスは、志を持って独立したのではなく、正社員としての社会人生活に馴染めず、束縛されない自由な働き方としてフリーランスを選んだ方が多いように見受けられます。

現代は個が中心となって活躍する時代ですので、フリーランスという働き方は時代にあった働き方であることは間違いありません。しかしフリーランスで働くということは、これまで会社に抱えてもらっていた責任を自分で負う立場になったということを理解しなければ、フリーランスとしてきちんと立ち回ることはできません。

その理解がなく、単に報酬が高い、余計な仕事をやらなくて良い、上司や同僚との煩わしい付き合いがない、という都合の良い部分だけでフリーランスを選んでいる方は高い確率でトラブルを起こしてしまうように見受けられます。

フリーランスで常駐エンジニアとして働くということは、事業主としてエージェントと契約して業務を行うことですから、正社員で現場常駐する以上の言わば会社としての責任を求められる立場で契約するということです。

そのような理解がないのであれば、エージェントにもクライアントにも迷惑をかけてしまいますし、真面目に常駐エンジニアとして頑張っているフリーランスの方々にも失礼です。

フリーランスエンジニアとして現場常駐するのであれば、自分自身の置かれた立場を理解して頑張っていただきたいですね。

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この記事を書いた人

管理人のよしぞと申します。
フリーランス業界で働いている管理人が、業界で働く様々な視点からフリーランスエンジニアに挑戦するためのノウハウを掲載。独立を考えている方にとって手助けになるサイトを目指しています。

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