エンジニアを志す方が最初にぶつかる壁があります。それが、「何のプログラミング言語を最初に勉強するか」です。筆者自身も、最初に何を勉強すべきか非常に迷いました。
今回はそんな方のために、初心者向けとしておすすめなプログラミング言語「Java」を最初に学ぶメリット5選を紹介していきます。
プログラミング言語「Java」とは?
パソコンを日常的に使う方なら一度は聞いたことがあるであろう「Java」。何かしらのソフトウェアを使用するためにダウンロードすることが多いですね。
このときダウンロードするのはJavaのコンパイラと呼ばれる物です。コンパイラとは、プログラミングされた文を機械が読めるように翻訳する物です。
そして、翻訳される前の文こそが、プログラミング言語としての「Java」なのです。
Javaは別名「汎用言語」とも呼ばれます。文字通り、Javaは「何にでも使うことができるプログラミング言語」なのです。Javaのコンパイラさえあれば、Windows上でもMacOS上でもLinux OS上でも動かすことができます。
もっと身近な物では、Android OSです。Android OSは全ての動作がJavaで設定されています。
ここまででもJavaがとても有用性のある言語であることがわかったと思いますが、ここからさらにメリットを紹介していきます。
メリット1 比較的簡単に習得できる
「何にでも使えるってことはすごく複雑なんじゃないの?」という声をよく聞きますが、実はJavaは比較的簡単に習得できます。具体的に習得しやすい要因は
- 構文がわかりやすい
- 煩雑になりがちな階層構造がシンプルである
- オブジェクト操作(後述)がわかりやすい
などが挙げられます。構文については、よく初心者向けとして扱われる「HSP」「Swift」などと比べると流石に複雑ではありますが、それでも初心者が十分理解できる程度です。
また、プログラミングをする際に起こりがちな「ファイルの階層構造の複雑化」が起こりづらくなっています。初心者のうちにこの壁に当たると非常に厄介なので、この点はかなり評価できるものとなっています。
なぜ階層構造がシンプルになるのかについては多少専門知識が必要なので割愛させていただきますが、ある程度プログラミングできるようになるとその恩恵を十分に感じることができるでしょう。
メリット2 他のプログラミング言語の習得が容易になる
Javaは、プログラミング言語の代表格であり、多くの子言語を持つ「C言語」というものから派生して誕生した言語です。また、Javaを参考にして作られたプログラミング言語は山のようにあります。
したがって、Javaを習得すれば、他の多くのプログラミング言語の習得も容易になるのです。Javaはどんな環境でも動作しますし、どんなものでも開発できますが、逆に言えば「これといって得意分野がない」ということになります。
Javaを習得すれば確かに開発の幅がグッと広がりますが、それだけではどうにもならないことが現場ではあります。そこで必然的に「特定のことをするのに特化した言語」の習得が必要になります。
ここでJavaの知識が役に立つのです。前述したように、Javaを参考にして作られた言語は山のようにあります。たとえば今人気の「Python」、iOSアプリの開発に用いられる「Swift」、ゲームやウェブアプリケーション開発に用いられる「JavaScript」などです。
Javaを習得するということ、はそのあとの選択肢が無数に広がることになります。エンジニアとしてはできる限り多くの言語を扱えるに越したことはありません。あらゆる現場に対応できますし、各言語の資格を取っておけば就職や転職にも有利になります。
また、現場では複数のプログラミング言語を組み合わせてアプリケーション開発を行うこともあります。特にJavaで開発するときは、どうしてもJavaだと相性の合わない処理をする際に別の言語を用いて最適化することがよくあります。
つまり、Javaを学ぶと必然的に他言語の習得が必要となりますが、同時に他言語の習得がとても容易であるという需要と供給が一致したサイクルが発生します。
このサイクルは他の言語では早々作ることができません。
Javaだからこそ可能な、初心者にとってかなり大きな魅力です。
メリット3 どんなプログラムでも作れるようになる
前述の通り、Javaはあらゆる環境で、あらゆる動作をすることが可能な言語です。したがって、Javaを習得すればどんなプログラムでも作ることができるようになります。
PCアプリケーション、スマートフォンアプリケーション、ウェブアプリケーション、ゲーム、人工知能、IoT機器プログラムなどなど、それぞれの開発に特化した他言語はあれど事実上なんでも作ることができるようになります。
意外にこれが重要で、その気になればなんでも作れるというのはかなりモチベーションにつながります。
たとえば、現在あらゆる企業が利用するウェブサイトは「HTML」というプログラミング言語で作られていることがほとんどです。HTMLを習得すれば、ウェブエンジニアとして大きく活躍の幅が広がることでしょう。
しかし、逆に言えば「ウェブサイトしか作れない」ということでもあります。別にそれでもいいじゃん、という人はそれでも構いませんが、大半の人はたくさんのことができる方が自信につながるのではないでしょうか。
少し下品な例え方をすれば、「私、ウェブサイト作れるんだ!」と専門外の人に言えばきっと「へぇ、すごい!」と返ってくるでしょう。しかし、ここで「私、どんなプログラムも作れるよ!」といった方が間違いなく相手はよりあなたのことを「すごい!」と思ってくれることでしょう。
メリット4 オブジェクト指向について理解することができる
オブジェクト指向とは、JavaやPython等多くの言語で用いられている「プログラミングする上での基本的な作り方」のようなものです。
専門的な話を除いて説明すると、「オブジェクトという型を作り、それを使って似たようなものをいくつも量産できる」といったものです。
オブジェクト指向は現在用いられているプログラミング言語のほとんどに使われているにもかかわらず、初心者が挫折しがちな部分です。というのも、オブジェクト指向を理解するためには少し難しい考え方が必要なためです。
ではなぜJavaでオブジェクト指向が理解できるのかというと、Javaのオブジェクト指向はシンプルかつ扱いやすいからです。
Javaのオブジェクト指向は、型の形を作ってそれを使って型抜きするだけの単純なものです。一応もう少し複雑な考え方もいくつかありますが、これさえできていればJavaは十分に使うことができます。
Javaでオブジェクト指向について理解できれば、他のプログラミング言語の複雑なオブジェクト指向の理解も捗ります。すると活躍の幅も広がります。
メリット5 就職で有利になる
これは技術面のメリットではなく社会的なメリットとなります。
Javaがどれほど扱えるかを証明する「Java能力認定試験」という資格があります。これを取得しているとほとんどのIT企業で優遇されます。
というのもこれまで書いてきた通り、Javaは事実上どんなものでも作ることができる点、一度習得すれば他のプログラミング言語の取得が容易である点等がIT企業にとってはとても魅力的です。
そのため、Javaを学び「Java能力認定試験」を取得しておけば就職にも、その後の転職にも役に立ちます。
まとめ
Javaはとにかくメリットが多く、損も少ない非常に魅力的な言語です。これからプログラミングの勉強を始めるという方、または別のプログラミング言語を習得したけれど次に何をすればいいかわからないという方はぜひJavaを習得することをおすすめします。