MENU

ITエンジニアがゲーム業界に転職するために必要なスキルとは? 転職メリットも紹介!

現在はITエンジニアをしているけれど、ゲーム業界への転職に興味があるという人もいるでしょう。そもそもゲームエンジニアになりたかったけど、就職かなわずIT業界に流れ着いたという人もいるかもしれませんね。

ただ、IT業界とゲーム業界とでは、同じプログラミングを行う仕事だとしても勝手が大きく異なります。

そこで今回は、IT業界とゲーム業界の開発の違いと、エンジニアがゲーム業界に転職するメリット、必要なスキルなどを紹介しましょう。

目次

業務システム開発とゲーム開発との違いとは?

ITには業務システム開発だけでなくWebも含まれますが、今回は業務システム開発に焦点を当てていきます。業務システム開発とゲーム開発とは、似ているようで実は大きな違いが2つあるんです。違いを知ったうえで、転職するかどうか考えましょう。

ゲームはアジャイル型の開発が主流

業務システム開発においては、ほとんどの場合ウォーターフォール型の開発手法が採用されます。スケジュールを決め、工程を細かく分割しますよね。「企画」「設計」「実装」「テスト」などです。これらの工程を上流から下流へと、順繰りに流していきます。

まさに水が上流から下流へと流れていくように開発する、というわけです。

一方、ゲーム開発ではアジャイル型の開発手法が採用されることがほとんどとなっています。

ゲーム開発においては、仕様変更は当たり前です。最初は厳密な仕様を決めてしまわず、おおまかな仕様で開発をはじめ、必要なものから少しずつ作っていきます。小さい単位で実装とテストを繰り返し、仕様変更に対応し、また実装テストを繰り返すのが基本です。

これは、コンシューマーゲームの場合も、ソーシャルゲーム(以下ソシャゲ)の場合も同様になっています。

ソシャゲの場合は、リリース後の運用もありますよね。イベントを開催したり、キャラを追加したり、ストーリーを追加したり…。ソシャゲは特にアジャイル型を徹底しています。

ゲームは分業体制が細かくない

業務システム開発においては、細かく分業するのが基本となります。もちろん会社の規模によって分業の細かさは異なるものの、少なくとも上流下流で分かれるものです。

そのうえ、サーバーはインフラエンジニアが担当し、データベースや機能実装などもそれぞれ専門的に行う担当者が存在します。機能実装を行う部隊も、機能ごとに分業することもあるでしょう。

一方ゲーム業界は、エンジニア部隊はあまり分業を行いません。

サーバーもゲームエンジニアが担当し、ゲームの機能実装などもゲームエンジニアが担当します。エンジニアは「プログラマー部隊」として総合的に管理され、全ての作業をチームで行うんです。

これは、スピード感を重視するためだと言われています。

ゲーム開発は、ただでさえ工数と人と時間がかかるものです。おおまかな仕様と設定を決め、ストーリーを決め、キャラクターデザインを行い、3D班がグラフィックを作り、モーション班がモーションを作ります。エンジニアに仕事が流れてくるまでに、結構時間がかかるんです。

それなのにも関わらず、一度仕事が流れてくるようになると次から次へと流れてきます。スピード感を持って開発を進めなければ、マスターアップに間に合いません。

加えて、ゲーム開発はひとつのプロジェクトに配置される人員数が比較的少ないです。同じ会社で同時にさまざまなゲームを開発することも多いため、大規模IPのゲームでもなければ少数で開発を進めなければなりません。

スピード感のある開発をするには、一人のエンジニアが広範囲をカバーする必要があるんです。

そのため、ゲーム業界はフルスタックエンジニアとなれる人を求めています。

エンジニアがゲーム業界に転職するメリット・デメリット

エンジニアのゲーム業界への転職には、メリットもデメリットもあります。どちらがより大きいということはありません。人によってメリットの方が大きく感じたり、デメリットの方が大きく感じたりします。自分はどちらが大きく感じるか、考えてみましょう。

メリット

・ユーザーの声が届きやすい
・業界未経験でも採用されやすい
・ゲーム好きならやりがいも大きい
・実は緩やかに伸びている業界

まず、ゲーム業界に転職すると、ユーザーの声が届きやすくなります。業務システム開発において、エンドユーザーの声が直に届くということはなかなかないでしょう。ユーザーの声は、やりがいに大きな影響を与えます。

ゲーム業界はプレイした人の声が直に届くので、モチベーションを保ちやすいです。

さらに、ゲームが好きな人ならより大きなやりがいを得られます。

そして、ゲーム業界全体で見ればプログラマー不足という状況もあるんです。スマホゲームの普及や、買い切りのゲームでもアップデートが求められる都合上、ひとつのチームが長く同じゲームに関わることになります。そのため、次のタイトルを開発する際、人手が足りなくなることがあるんです。

そのためか、業界未経験でも採用されやすい傾向があります。

また、ゲーム業界は実は緩やかに伸びているんです。ソシャゲの台頭によりコンシューマーは下火になった時期もありましたが、近年はeスポーツの流行やコロナ禍などで伸びています。

デメリット

・ハードな割に給料が低い
・ソシャゲは深夜作業や休日作業も多い
・イベントシーズンほど休みにくい

ゲーム業界に転職するデメリットのほとんどは、忙しさと給料の低さです。

ゲーム業界が給料が低いというわけではありません。エンジニアの給料として見ると、むしろITエンジニアの相場より高い会社も多いです。担当する業務の幅が広いので、給料も高くなるのでしょう。

ただし、激務さと比べると割りに合っているとは言い難いです。ゲーム業界は、当たり前のように激務になります。会社に泊まり込んだりすることもありますし、マスターアップまではろくに休めないことも少なくありません。

それでITエンジニアとの給料の差は数十万円ほどということが多いので、「給料とやりがいより自由な時間」を重視する人には合わないでしょう。

さらに、ソシャゲの場合は深夜作業や休日作業も多くなります。

ソシャゲはメンテナンスを週に1度は行うのが基本です。それに加え、新規キャラやイベントの実装などのメンテナンスもあります。大きなエラーの際には緊急メンテナンスも行わないといけません。

その際、休日だろうと呼び出されることが多いです。さらに、メンテナンスを深夜帯に行うゲームも多いので、深夜帯に働かなければならなくなることもあります。

また、ソシャゲ・コンシューマーとに関わらず、ゲーム業界はイベントシーズンほど休みにくいです。ソシャゲは季節イベントの実装がありますし、コンシューマーもイベントシーズンに追加コンテンツを出したりすることが多い傾向があります。

ゲーム業界が向いているエンジニアと向いていないエンジニアの違い

ゲーム業界のエンジニアは、基本的にフルスタックエンジニアとして、ずっと開発に携わることになります。自分の手でプログラムを動かし続けたいという人には、向いているでしょう。

さらに、スピード感のある開発がしたい人や、新しい技術への好奇心・挑戦心が旺盛な人も向いています。ゲーム業界は、新しい技術をいち早く取り入れる傾向がありますからね。

例えば3DSは肉眼3DとAR技術を早く取り入れたハードですし、ソフトを開発するサードパーティもそれに対応した物を作りました。

PSVRもVR技術をいち早く取り入れています。

日本においては、ゲームが新技術のテスト場のようなものです。さまざまな技術への興味関心が無ければ、新技術に対応するのに苦労します。

逆に、ゲーム業界に向いていないのは、いずれはマネジメント側につきたい人、色んな技術を試そうとしない人、のんびりしている人です。

激務ということもありますし、ゲームが好きじゃない人も楽しさとやりがいで奮起しにくいため、向いていません。

エンジニアがゲーム業界に転職する際に必要となるスキル

自分はゲーム業界に向いていると感じ、ゲーム業界に転職しようかなと思っている人もいるでしょう。ただ、もうひとつ大事なことがあります。ゲーム業界で必要となるスキルです。IT業界とは違う部分もあるので、しっかりとチェックしておきましょう。

プログラミングスキル

ゲームの種類によって、使用頻度の高い言語が異なります。

・コンシューマー:C++、C♯
・オンラインゲーム:PHP、Ruby、JavaScript
・ソシャゲ:Swift、Java、C♯、JavaScript

IT業界で使う言語もありますが、使用頻度が低い言語もあるでしょう。Webサービス系の開発をしたことがある人なら、オンラインゲームやソシャゲ開発に対応できる言語を習得済みの人も多いのではないでしょうか。

C♯は、オンラインゲームやスマホなどでもよく使われます。近年使われることの多いUnityとセットで使われることもあるので、ほぼ必須と言える言語です。C++も同様に、習得しておいたほうが良いでしょう。

ゲームエンジンに対する知識

ゲーム開発には、ゲームエンジンが付き物です。IT業界の開発環境とは勝手が大きく異るので、現在主流のエンジンに対する知識が必要とされます。転職時に必須というわけではないものの、知識があったほうが転職はしやすいです。

Unityはゲーム業界にいなくても気軽に触れるので、Unityくらいは実際に触れておきましょう。ポートフォリオとして、既存のアセットなどを利用した簡単なゲームくらいは作っておいても良いかもしれませんね。

ゲーム業界に関する知識

ゲーム業界の知識くらいは、勉強しておきましょう。業界研究は、転職の定石です。応募する企業のことを含め、ゲーム業界全体について知っておく必要があります。この知識は面接での質疑応答に役立つほか、ゲーム業界に入った後も役立ちますよ。

まずは、ゲーム業界の歴史から勉強しはじめると良いでしょう。堅苦しいと思うかもしれませんが、ゲーム業界の歴史は意外とドラマティックで面白いですよ。歴史を知ることで技術の推移なども見えてきます。

さらに、ゲーム業界の主な企業について調べておきましょう。任天堂、ソニー・インタラクティブエンタテインメント、Microsoftなどのハードを作る会社。セガやスクエニなどのセカンドパーティあたりは知っておいて損はありません。

スマホに関しても、主流な企業の知識を付けましょう。

あとは、ゲーム業界で使われる用語を学んで応募企業の研究をすれば、言うことはありません。

たとえば、本記事でも使ってきた「マスターアップ」も「製品版完成」を指すゲーム業界用語です。

ハードウェア・ネットワークの知識

ゲーム業界のエンジニアに転職するなら、ユーザーがどのようなハードウェアを使っているかを知ることは重要です。

それを知らなければ、プログラミングを行う際にユーザビリティなどを量れず苦労しますから。

コンシューマーゲームの場合、各メーカーが出している「Switch」「PS5」「Xbox One」などがハードとなります。近年はゲーミングPCを使う人も増えていますし、スマホもゲームハードの一種だと言えるでしょう。

それぞれのスペック、ユーザビリティなどについて調べておくことをおすすめします。

さらに、ネットワークに関する知識も必要です。近年のゲームは、ネットワークを使うことがほとんどです。ネットワーク関連の知識、サーバーの負荷分散技術などについて調べておきましょう。

ITエンジニアでも勉強すればゲーム業界に転職できる!

ITエンジニアがゲーム業界に転職するのは、可能です。実際に、ITエンジニアから未経験でゲーム業界に転職する人は大勢います。

ただし、転職前に勉強しておくべきことは多いです。主に応募先企業で用いるプログラミング言語の習得と、ゲーム業界やハードなどについての知識を学ぶことが必要になります。逆に言えば、勉強さえしっかりすればゲーム業界に転職できるということです。

まずは、自分がゲーム業界に向いているかどうかを分析し、勉強することからはじめてみましょう!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

管理人のよしぞと申します。
フリーランス業界で働いている管理人が、業界で働く様々な視点からフリーランスエンジニアに挑戦するためのノウハウを掲載。独立を考えている方にとって手助けになるサイトを目指しています。

目次