今の職場はストレスが溜まるから転職したいという人も、スキルアップのために転職したい人も、エンジニアには大勢いるでしょう。
転職活動において大切なのが、面接で聞かれることと答え方を想定しておくことです。そこで今回は、エンジニアの転職面接でよく聞かれることを13個紹介します。さらに、質問への答え方も簡単にアドバイスしますので、参考にしていただけると幸いです。
どんな職種でも聞かれる定番の面接質問と答え方6選
まずは、エンジニア以外でも聞かれることが多い定番の面接質問を6つ紹介します。当たり障りのない質問が多いですが、実はこの簡単な質問への答えも大切です。面接は、自己紹介からすでに始まっていますよ。
自己紹介と職務経歴について
面接では、自己紹介と職務経歴について必ず質問されます。これは、履歴書の確認と、その内容に対して面接官が気になったことへの掘り下げですね。基本的には、履歴書に書いてある通りの内容を話せば問題ありません。
ただ、面接官が知りたいのは「自社に合っている人材かどうか」です。
それは、どんな質問でも共通しています。もちろん、簡単な自己紹介でもそれを判断しているということを忘れずに回答しましょう。
答え方としては、応募先の企業が求める人物像に合わせる形が望ましいです。企業が求める人物像を知るには、リサーチを重ねるしかありません。企業HP、人材募集ページや求人票などをしっかり読み込み、企業レビューなどもチェックして読み取りましょう。
ただし、合わせようとするあまり本来の自分自身から離れすぎてもよくありません。そうして受かったとしても、本来の自分には合わない企業で働くことによるストレスで、結果的に辞めてしまいかねませんから。
合わせるときには、自己分析して自分の性格や特徴などを洗い出し、その中から企業の求める人物像に当てはまるものをピックアップして語るようにすることをおすすめします。
前の会社を辞めた理由
前の会社を辞めた理由は、転職面接で必ず聞かれることです。エンジニアは特に転職する人が多いですし、ネガティブな理由で辞める人も大勢いるため、念入りにチェックされます。
基本的には、ネガティブな理由をそのまま話すのはよくありません。企業が欲しいのは、前向きに自社で働いてくれる人材です。
ただし、明らかな嘘をつくのはおすすめしません。嘘はすぐバレますし、バレたときのしっぺ返しが痛いです。
自分が会社を辞めた本当の理由を、ポジティブに変換して伝えましょう。例えば、前の職場が合わなかったという理由なら、自分の能力を最大限発揮できる職場を探すためという理由に変換できます。
このようにして、適宜変換しながら辞めた理由を伝えましょう。
趣味について
たいてい、自己PRの後くらいに趣味について聞かれます。この質問には、業務に関係なく好きなことを語らせることで応募者の緊張を和らげるという目的があるんです。
さらに、趣味に没頭できるということは集中力があるということだ、と判断する面接官もいます。一つの趣味に長期間取り組んでいれば、すぐ辞めることはないだろうと安心する面接官もいるんですよ。
また、応募者としては、趣味について語ることでも自己アピールが可能です。
例えば、プラモデルが趣味だとします。大人のプラモデル趣味は世間一般的に敬遠されがちではあるものの、エンジニアにとってプラスになる要素があるんです。
設計図を頭に浮かべながらコツコツと物を作り上げるということや、完成像や全体像を考慮して自分なりにカスタマイズを考えることなどは、エンジニアの業務に通ずるところがあります。そういったところを引き合いに出し、「創意工夫や全体のことを考慮して動くことが得意です」としてしまえば、自己アピールが可能です。
他の趣味でも、業務に通ずるところはあります。あまり深く考えなくても良い質問ではありますが、他の応募者と差別化したいのなら自分の趣味について今一度深く考えてみましょう。
志望動機
言わずもがな、志望動機は必ず聞かれます。これは、企業の求める人材像と応募者の人材像・キャリアプランが噛み合うかどうかの確認です。さらに、企業研究をしっかりしてきているのかを見極めるための質問でもあります。
そのため、志望動機を作るには企業研究が必須です。企業HP、人材募集ページなどをしっかりチェックしてどんな企業なのかを知りましょう。どんな人材を欲しているのかも、そこに記されてあります。
そして、その企業の特色や強みを取り上げて「自分もそのような活動がしたい」という風に志望動機に繋げると効果的です。あとは、企業が求める人材と自分のキャリアプランが一致していれば、それも話すことをおすすめします。
今後どのような仕事をしていきたいのか
これは、エンジニアとしてのキャリアプランを確認する質問です。つまり、中長期的に会社にどのようにして貢献していく姿勢があるのかを相手は聞いています。曖昧な回答や、企業への貢献という意識のない独りよがりな願望だけを語るのはNGです。
ポイントとしては、企業のビジョンを見極めること。そして、そのビジョンと自分の思い描くキャリアの方向性が一致していることが最も好ましいです。それらを踏まえ、どのようなエンジニアになりたいか、そのためにどのような業務経験が必要かをイメージすると、この質問への答えが見えてきます。
自分の強みと弱み
これは、自分を客観的に分析できているかどうかを確認する質問です。それさえクリアできれば及第点ですが、他の人との差別化を図るなら、弱みを放置しないで改善しようとしている姿勢を伝えると良いでしょう。
まずは、自分の強みと弱みを分析します。弱みはすぐ思い浮かんでも強みがわからないという人もいるかもしれませんね。そういうときは、弱みを反転してみてください。たいてい、強みと弱みは表裏一体になっています。
例えば、何かをしようとしたときに色々調べたりマイナスイメージをしたりしているうちに、行動できなくなることが弱みだとしましょう。
これは、反転すると「行動する前に綿密に計画を立てることができ、問題点の洗い出しも得意」ということです。エンジニアにとって大切な素質であることが、わかります。
このようにして、反転すると強みもたくさん見えてきますよ。その中で、エンジニアの仕事に役立ちそうなものをピックアップしてみてください。
次にすることは、弱みへの対策案を考えることです。先程の例は、簡単に言えば「行動力のなさ」が弱みになっています。それでいて計画するところは強みです。そこで、対策としては「計画を立てて問題点も洗い出したうえで、問題点を改善できるように考えて行動に移すようにする」ということが浮かびます。
これをそのまま面接で伝えれば良いんです。
エンジニアならではの面接質問と答え方7選
ここまでは、転職面接における汎用的な質問を紹介してきました。今度は、エンジニアならではの質問を紹介します。エンジニアは転職面接でどのようなことを聞かれるのか、それにどう答えればいいのかについて知りたい人は参考にしてみてくださいね。
どのような言語・ツールなどを経験したか
エンジニアの転職において、どのような言語やツールを経験してきたのかということは必ず聞かれます。その企業で主に使われる言語やツールとマッチしているかを、確認するためです。ただ、マッチしていないだけですぐ落とされることはありません。後ほど紹介する質問で、カバーできます。
ここは、正直に伝えるしかありません。技術面の嘘はすぐにバレますから。
担当したサービスの規模
応募先企業の案件規模に見合う経験値が備わっているかどうかを、確認するための質問です。大規模なサービスを担当した経験があるかを単純に知りたい、という場合もあります。いずれにしても、規模の大きいサービスの担当経験があれば有利になる質問ですね。
ここも、正直に伝えるしかありません。
ただ、伝え方は工夫できます。曖昧に「大規模」「中規模」「小規模」と伝えるのではなく、具体的なサーバー台数やユーザー数、プロジェクトに関わった人員の数などを盛り込んで伝えましょう。
以前のプロジェクトで担当したポジション
この質問は、応募者に任せられるポジションを判断するための参考材料として使われます。どのくらいの業務なら任せられるのか、企業が求めるポジションに就くことのできる経験値があるのかを企業は知りたいんです。
正直に答えるのはもちろんですが、ここも詳細に答えるとより良いですよ。
プロジェクトによって、進め方は千差万別。経験してきたチームの規模と、そのチームにおけるポジション、そして担当した業務について細かく説明しましょう。
たとえば「総勢10人のチームプロジェクトにおいて、リーダーを担当し、設計から開発までの幅広い業務を担当しました」というふうに、簡潔に詳細を伝えると効果的です。
リーダー経験の有無
リーダー経験の有無は、チーム開発を行うことが多い企業がよく質問します。質問の意図は、チーム開発において必要となるチームワークやコミュニケーション能力、課題解決力があるかどうかを確かめることにあるんです。
つまり、リーダー経験がある人がここで本当に伝えるべきなのは、リーダーとしてどのように活動してきたかということになります。「あります」で終わってしまっては、企業側としては判断に困るのでよくありません。
まず、チームの人数と担当業務は必須です。
続いて、プロジェクトの成否について語ります。問題なく成功した場合は、自分がリーダーとしてどのようなことをして成功に導いたのかを語りましょう。
いくつかのトラブルに見舞われたけど結果成功した場合、どのようにトラブルを解決したのかを語ります。
頓挫した場合でも、それまで何をしてきたのかを語ることで印象を良くすることが可能ですよ。
開発の進め方
開発の進め方は、案件によって異なります。似たような案件でも、現場・企業が変わると異なる進め方になるものです。そこで企業は、自社の開発の進め方と応募者の進め方とが合うかどうかを確かめようとします。
合わなかった場合、経験のない進め方にも対応できる対応力を持っているかが知りたいんです。
まず、自分が経験してきた進め方について詳細に語りましょう。なるべく、詳細でありながら簡潔に語り、複数の経験がある場合は複数語ってください。さまざまなワークフローを経験しているということが、対応力があることの証左になります。
また、結びの言葉として「さまざまな進め方を経験し、スキルアップしていきたい」と語ると効果的です。これで、経験のない進め方にも対応しようとする姿勢が示せます。
スキルアップのために何をしているか
面接も大詰めになってくると、スキルアップのために何をしているのかを聞かれることがあります。これは、エンジニアの転職面接においては半ばお決まりの質問です。エンジニアという仕事は、常にスキルアップし続けることが求められますからね。
スキルアップする意思の無い人は、長期的に雇うメリットが少ないので企業は敬遠します。
現在勉強中のことがあるなら、それを具体的に伝えてください。勉強中の技術と、その習得方法を答えられればOKです。さらに深く突っ込む場合は、その技術を習得した後でどのようなことがしたいのか、どのようなエンジニアになりたいのかを語ると良いでしょう。
もし、現時点では何も取り組んでいないとしても、今後どのように取り組んでいくのかというビジョンを具体的に語ることで悪印象になることは防げます。
この質問で知りたいことは、あくまでも「スキルアップする意思の強さ」ですから。
これまでどんな失敗を経験したか
転職面接では成功体験を話す人が多いですが、企業側は失敗談を知りたい場合が多いです。エンジニアの転職面接において、どのような失敗を経験してきたのかという質問は、よくあります。
この質問で本当に知りたいことは、失敗への立ち向かい方です。失敗しないように試行錯誤したのか、失敗した後にその理由を振り返り今後に活かしたのか、どのように失敗をリカバリしたのか…。
どのような形であれ、失敗に対し前向きに取り組んだ話を答えることが求められています。
エンジニアの仕事において、失敗は付き物です。失敗は一見マイナス要素のようですが、挑戦したことの証左でもあります。挑戦しなければ失敗もしませんから。
失敗したことに対して前向きに取り組んだということは、それだけ業務に主体的に取り組んだということです。
失敗したことがない、という人ほど企業は取りたがりません。怖がらずに話しましょう。
企業の知りたいことを予測して答えることが転職のカギ!
エンジニアの転職面接でよく聞かれることを13種類、紹介してきました。どれも聞かれる可能性が高い質問です。当たり障りない質問に思えても、実は企業側の意図があります。無意味な質問は、企業はしません。
そのため、転職面接では企業の意図を予測することが大切です。企業の意図に合った答え方ができれば、採用率も上がりますよ。