Web会議システムにTeamsを選定した場合、会議室においてのTeams利用は、アカウントへサインインした端末を持ち込むことになります。
しかし、いつまでもそんな手間隙を課すわけにもいかないでしょうから、会議室専用のTeams端末の設置を計画することになります。
処が、Teamsのポリシーはあくまで「1人あたり1ライセンス」が鉄則です。これでは、Teamsライセンスを持たない企業ユーザが、自由に会議をすることもままなりません。
そんな、企業での共有利用ができないライセンスを救済するのが、Microsoft Teams Rooms機器です。
ここでは、Teams Rooms機器の魅力に迫っていきます。
SurfaceHubとTeams Rooms機器の違い
SurfaceHubは、つい数年前までは「TeamsやSkype for Businessで共有会議ができる、数少ない機器のひとつ」でありましたが、近年になり、Micorosoft Teams Rooms機器が登場しています。
SurfaceHubは、現在はSurfaceHub2Sとバージョンを変え、前回のバージョン1と比べ、よりコンパクトで取り回しの利くシステム機器へと進化を遂げました。
一方、Teams Roomsは、Teamsアプリの台頭により「会議室における、共有会議利用が拡大した影響」から登場しました。
前述のように、TeamsアプリはMicrosoft365のライセンスの一環として「1人あたり1ライセンス」が鉄則です。
しかし、Web会議システムにおいてはこれの適用を受けることができないため「Web会議システムならいいよ」という名目で生まれたデバイスライセンスが、Microsoft Teams Roomsなのです。
Teams Roomsは、厳密にいうと、Roomsライセンスと呼ばれる契約形態を成しており、SurfaceHubもTeams Rooms機器も、これに該当しています。
Microsoft製品か、他社製品にTeamsアプリが搭載されているか
SurfaceHubは、Microsoftお手製の機器であり、ホワイトボード専用のタッチパネルや専用ペンなどが利用できる、いわば大型のタブレットとなります。
一方、Teams Roomsシリーズは、他社製のアプライアンスにTeamsを搭載した機器となり、こちらはホワイトボード専用のタッチパネルなどは装備されていません。
しかしながら、他社製のアプライアンスですので、様々な機能や能力を持つ機器バリエーションが存在しています。
大規模な会議向けにはSurfaceHub、中小規模の会議にはTeams Rooms、といった立ち位置になっているようです。
SurfaceHubに隠された、絶大な会議力とは?
SurfaceHubは、1台で1教室分の大会議を実施できるという強みを持っており、これが最大の目玉となっているようです。
専用のモニタやカメラ、マイクスピーカーが一つの機器にまとめられており、一貫して「会議に即した」各種機能を搭載しています。
高機能なホワイトボード&モニタ機能
SurfaceHubは、Teams会議を実施していなくとも、ホワイトボード機能を利用することができます。
ホワイトボードは、普段は殆どの会議室に据え置かれているものですが、これを実現することで、かさばるホワイトボードを、別途用意する必要が無くなりました。
また、専用タッチペンが、あらゆる線(直線/円/太さや色/消しゴムなど)やフォントに対応しており、画像やグラフデータのやオブジェクトの貼り付けも可能です。
専用のモニタは、VGAやHDMIは当然の事ながら、ワイヤレスモニタにも対応しており、プレゼン資料の表示に対して、自由自在な接続対応が可能です。
普段使いのOSとは違い、壊れにくい
Web会議システムは社内の不特定多数が使用する前提であり、ひとりひとりの扱い方や癖により、OSがクラッシュしてしまうこともあります。
しかしSurfaceHubのOSのベースはWindows10ですが、不要な機能や、不要なアップデートを排した、独自のOS(Windows10 Team)を搭載しています。
具体的には、UWF(Unfield Write Filter)というOS機能が搭載されており、ドライブをROM化(Read Only Memory = 読み込み専用)して「必要最低限のドライブ書き込みのみを許容」することで、OSトラブルを格段に軽減させているのです。
UWF機能が搭載されているWindowsOSは、たとえOSがクラッシュしたとしても、再起動時に「不具合のあった箇所をリセット」することで、元に戻すことができます。
更に進化した、SurfaceHub 2S
SurfaceHubに魅了されたシステム管理者や経営者は後を絶たず、要望に応える形で、重量のネックや機能性を改善したSurfaceHub2Sが登場しました。
2S独自の魅力は、よりコンパクトになった見た目や実重量もそうですが、数々の変更点が加えられています。
- 本体重量が127KG(Hub1)から、28KG(Hub2S)に大幅軽量化
- 専用カメラが脱着式に、何処でも取付可能、他社製カメラも使用可能
- 2台以上をデュアルモニタ化し、超大画面の表示が可能
- マイクスピーカーの露出を廃止、内蔵型へ移行
- 専用UPS(APC Chargeモバイルバッテリー、別売)を装備可能、無電源下で3時間動作
他にも、様々な変更点がありますので、要チェックです。
<Microsoft:SurfaceHub2S>
https://www.microsoft.com/ja-jp/surface/business/surface-hub-2
Teams Rooms機器ラインナップ!
Teams Room機器は、Microsoftとは他社製のアプライアンス機器へMicrosoft Teams Roomsライセンスを載せた機器となります。
SurfaceHubと比べたTeams Rooms機器の特徴は「カメラ/マイク/スピーカーなどが個別にセットできる」ことにあります。
SurfaceHubが1台でオールマイティな機能を集約する方針とは別に、各デバイスを自由に追加することができるのです。
また、SurfaceHubと比べて、驚くほど安価であることが殆どであり、これが人気が出る一つの理由となっている様子です。
下記、Teams Rooms機器をいくつかご紹介いたします。
<Logitech:会議室ソリューション(MICROSOFT TEAMS用)>
https://www.logicool.co.jp/ja-jp/product/microsoft-rooms
キーボードやマウス、Webカメラなどで知られるLogitechのTeams Rooms機器は、本体となるタッチパッドを主体に、ニーズに合わせてWebカメラ、マイク、スピーカーを拡張することが出来ます。その他、様々なLogitechならではの周辺デバイスがあり、柔軟な環境設置が実現できそうです。
<HP:オンライン会議専用PC>
https://jp.ext.hp.com/business-solution/online_meeting/
HP Elite Slice G2は、まるでお弁当箱のようなPC本体へモニタを繋げて操作する形式をとります。
また本体が360°マイクスピーカーになっており(Audio Ready機器には付属していません)、さながら「四角いアレクサ」のようです。また、オプションのカメラ・スピーカーはMicrosoft公認のJabra製品を推しているようです。
<Polycom:POLY MICROSOFT TEAMS ROOMS> https://www.poly.com/jp/ja/solutions/platform/microsoft/teams-rooms
Polycomは長年、高品質なアプライアンス型Web会議システムを販売してきた、老舗のメーカーです。Web会議システム本体を売っているというよりは、カメラやマイクスピーカーなどの周辺機器を販売しています。他社がデジタルズームを推す中、一眼レフカメラにも使用される光学ズームに拘っており、画質や音質に関しては、随一の性能を誇ります。
LenovoやHP製品のTeams Rooms機器とのコラボレーションを積極的に実施しているようです。気になる価格帯はSurfaceHub2Sに匹敵する勢いですが、カメラと音声にとことん拘るのであれば、こちらがおススメです。