フリーランスエンジニアの魅力の一つとして「勤務地が自由に選べる」というものがありますよね。会社員のエンジニアだと現場は所属先が決めるので、あまり行きたくない勤務地になる事もありますが、フリーランスは自分で案件(勤務地)を選べます。
また、フリーランスエンジニアは在宅勤務の人も多いイメージがあります。在宅だと通勤時間が無かったり通勤で体力が削られなかったりして効率よく作業できますよね。
そこで、フリーランスエンジニアの在宅勤務のリアルや在宅勤務できる案件の狙い方をまとめてみました。
勤務地にとらわれない自由な働き方を目指す人は必見です!
新型コロナの影響で在宅ワークが拡大中!でも意外とエンジニアは出勤している
2020年2月ごろから、新型コロナウイルスが流行しはじめたのをきっかけに在宅ワークに切り替える企業が増えてきました。
ITエンジニア業界でも、徐々に在宅ワークに切り替わり始めていますね。
しかし、ITを活用するエンジニアだからこそ在宅にすぐに切り替えられるかと思いきや、他の職種に比べて意外とIT業界は「完全在宅勤務」は難しいのが現状。どうしてITのエンジニアは完全在宅勤務が難しいのでしょうか?
エンジニアの完全在宅ワークが厳しい理由
SEの在宅ワークを難しくしているのが「セキュリティ」の問題です。特に、顧客データを扱うデータベース系の案件は、在宅勤務=機密データの持ち出しとなるのでクライアント側が在宅を渋るケースが多いです。
他にも完全在宅勤務に切り替えると「コミュニケーション」が取りづらくなります。リモート会議でいつでもPM・PLと繋がる事はできますが、進捗を報告するのにわざわざSkypeやZoomにつなぐという手間があるので報告が遅れがちになります。
そのため、週に何度かの出勤や時差出勤で折り合いをつける現場がまだまだ残っているのが現状です。
最終的にはプロジェクトや常駐先のクライアントの判断になりますが、クライアント企業としては常駐OKとなっているのにもかかわらず、プロジェクトによっては効率化を配慮して常駐になっている現場もあるのです。
転職市場でも在宅勤務SEの求人は少ない
転職サイトで在宅勤務可の求人を調べてみると、たくさんヒットするものの「案件次第」という求人がほとんどです。
自社開発案件で在宅可のエンジニアを募集している場合を除き、在宅勤務の案件に参画できる保証はありません。
在宅勤務OKの求人でも週に何度かは出勤する必要があることも
在宅勤務はWeb上で案件参画が決定し、Web上で成果物を納品し、Web上で報酬を受け取るというイメージがありますよね。地方に住んでいても関東の案件に参加できたり、複数の案件を同時にこなせそうなイメージも強いです。
ですが実際は在宅勤務可の案件でも、何度かは現場に足を運ぶ必要があります。開発環境が整ったPCを貸与してもらったり、案件に参画する初日はPLやPMから直接説明を受けるケースが多いです。
フリーランスのSEは自由に働けるのが魅力!でも在宅勤務はできない?
IT業界全体のテレワーク事情を見てきましたが、フリーランスの場合はどうでしょうか?
フリーランスの方が在宅勤務に積極的なイメージですが、実際は会社員よりも在宅勤務が厳しいかもしれません。その理由をお伝えします。
顧客データを扱うシステム開発・保守案件は在宅に向かない
セキュリティ面では、会社員よりもフリーランスの方が風当たりがきつくなります。なので、フリーランスになると在宅勤務のハードルがやや高くなると言って良いでしょう。特に官公庁向け案件や顧客データを扱う案件は厳しいです。
物理的な対応を求められるネットワークエンジニアは厳しい
ネットワークエンジニアなど物理的なネットワーク環境を構築するプロジェクトや、検証環境が現場にあり現場でないと環境にアクセスできないケースもあります。実機を触る機会が多いも在宅ワークは難しいです。
経験の浅いフリーランスエンジニアに在宅案件は難しい
ここ数年、経験が浅くともフリーランスエンジニアにチャレンジ出来る案件が増えてきていますが、業務指導が必要なレベルのエンジニアの場合は在宅案件は難しいのが実情です。
常駐では若手エンジニアでも上長が横に座って業務を教えてもらえましたが、在宅で同じように教えるというのは難しく、一人称で業務を出来る方が優先的に契約される傾向にあります。
どちらが仕事が出来る出来ないではなく、正社員の参画先を先に決めないと給料という原価が発生してしまうためです。会社側から見たら、フリーランスは仕事を決めなくとも原価は発生しないので、後回しにされざる得ません。
フリーランスの大きなデメリットとして把握すべきポイントです。
100%在宅の案件はまだ少ない!週に何度かは出社する必要のある案件が多い
システムの要件定義や設計、開発・コーディングなどのポジションでは、在宅勤務に切り替わってきています。経験がある人はフリーランスでも在宅勤務で案件に参画することは可能でしょう。
ただし完全在宅とはいかないのが現状。月に何度かは現場に出勤する必要がある案件が多いです。
フリーランスSEが在宅勤務するには?狙い目の求人を元営業が暴露
フリーランスが在宅勤務をするには、会社員よりも若干ハードルが高い事を紹介しました。
しかし、全くフリーランス向けの在宅案件が無いわけではありません。続いては、IT業界で営業していた私がおすすめ!のフリーランスのSEが狙うべき「在宅可能案件」を紹介していきます。
フリーランスSEが在宅勤務する近道は常駐現場の持ち帰り作業
フリーランスSEは最初から在宅可能な案件に参画することが厳しいです。フリーランスのSEで在宅勤務をしている人の多くが「常駐案件」で作業を持ち帰っています。
普段は在宅勤務を行っていなかった常駐現場でも、新型コロナの流行を受けてテレワークに切り替え、そのまま在宅勤務を続けている現場があります。
なのでフリーランスの人も案件探しの幅を広げて常駐現場への参画も視野に入れると、スムーズに在宅勤務ができる可能性が高まりますよ。
スマホゲーム・Webシステムの新規開発は比較的自由
個人情報の取扱いが比較的少ないスマホゲーム開発、Webシステム開発も在宅で勤務可能な場合が多いです。特にまだ個人情報が入っていない新規開発案件は、保守案件よりも持ち帰り作業がしやすいでしょう。
言語ならPHPやRubyの求人がねらい目です。未経験でも勉強すれば比較的コーディングが習得しやすい言語なので、余裕がある人は勉強しておいて損はありませんよ。
コーディング・設計書作成業務は在宅可!でも単価は低めに設定される
開発現場全体が在宅勤務に切り替わっている場合でも、PM(プロジェクトマネージャー)やPL(プロジェクトリーダー)は現場に出勤し続けている人が多いです。なので、普段はPM・PLで案件を探している人も下流業務で探すと在宅しやすいでしょう。
SE業務では設計書作成業務、PGはコーディングやテストなど全般でテレワーク化が進んでいます。ただしその分単価は低めになってしまうので「単価と勤務地どちらを取るか」という状態になりやすいです。
【まとめ】完全在宅の案件は意外と少ない!複数エージェントに登録がおすすめ
実は、新型コロナの自粛を経てIT業界全体も不況になってきているのが現状です。多くのIT企業で案件に参画していない「待機社員」が増え、フリーランスのエンジニアから自社社員に切り替えている所も増えてきています。
自分で勤務地や案件を選べるのが魅力のフリーランスですが、不景気になると案件自体が少なくなってしまうので注意が必要です。
フリーランスの方で在宅勤務など条件付きで案件を探したい人は、なるべく多くの「フリーランス向けエージェント」に登録しておきましょう。完全在宅の案件でも見つかる可能性がアップしますよ。

筆者プロフィール
お名前:へみ
大学卒業後、関西で建設業・IT業界・製造業で人材派遣(汎用系、Web系、3DCADでの設計)の営業を5年間経験。自社社員の営業やフリーランスエンジニアとのやりとりを数多くこなす。
現在は寿退社し夫の家業である製造業の経理に従事。2児の母。
2016年からは副業で美容系ライターとしてWebメディアに数多く寄稿。2020年3月からは自身で美容系のWebメディアを立ち上げた。
趣味は美容研究、クラシック音楽、レース編み、ロードバイク。
Webメディア:30歳からの美容研究
Twitter:@hemmi81415047