実際に常駐型フリーランスエンジニアとして働かれた方の体験談です。
あるはずの設計書がない、自分の経験以上の仕事を任される、コミニュケーションを意識してプロジェクトを進めていった結果、お客様から高い評価をいただいたことなど、現場で働くエンジニアにとって大切な体験談をいただきました。
フリーランス初挑戦はテスターの案件に参画
プロフィール
技術者プロフィール
氏名(HN) 性別 年齢 | たくや 男性 32歳 |
住まい | 東京都 |
エンジニア職種 | テスター |
案件概要
案件概要 | Androidホームアプリ開発プロジェクト |
与えられた業務タスク | 単体試験仕様書の作成、単体試験 |
チームメンバー数 | 6人、メンバー |
参画した際のフェーズ | 単体試験フェーズ |
プロジェクトの期間 | 2ヶ月 平均稼働時間:170h |
月額報酬 | 38万(140-180h) |
案件にエントリーした理由 | フリーランスとして初めての現場ということもあり、これまでの経験が活かせるプロジェクトを選びたかったため。 |
エージェントのこと
契約したエージェント会社から参画された方の人数 | 1名 |
プロジェクト参画中のフォロー頻度とフォロー内容 | 月に一度メールで現場の状況を伝え、今後の希望案件を相談しました。 |
プロジェクト終了時に次の案件をスムーズに紹介してくれたか | 候補の案件をすぐに提案していただき、面談までスピーディに進めてくれました。 |
プロジェクト全体を通してエージェントの対応に満足できたか | 初日が台風で出勤できないといったイレギュラーもありましたが、すぐに対応していただくなど、全体を通して満足しています。 |
プロジェクトエピソード
想定外から得た学び
未経験だったテスト設計をさせていただいたことが大きな学びになりました。
なぜいきなり未経験の作業を任されたのか。
本来このプロジェクトで私が任されるはずだった作業は、Androidホームアプリの単体テストです。しかし、参画した段階でテスト仕様書は全く作成されていなかったんです。
それだけ忙しいプロジェクトとも言えますが、まさかフリーランスで初めての現場で、未経験の仕事を任されるとは想像もしていませんでした。
不安ばかりでしたが、プロジェクトリーダーは「せっかくだからやってみましょう」と優しい言葉をかけてくれました。
やる気になったのは良かったのですが、すぐに次の問題がおきます。
なんと設計書がありません。正確には存在はしていますが、お客様との間で、細かい修正と提出が繰り返された結果、同一ファイルが増えて最新状態がわからない状態に。
いきなり大変な状況になってしまったと思いながら、開発担当者に仕様を確認しつつ、なんとか作成していきました。
テスト設計ができたことは私にとって貴重な経験でした。
ただ、それ以上に大切な学びが1つありました。
それは、「準備が整っている状態が当たり前ではない」ということです。これはどの作業でも言えることですが、予定していない状況になった時にどう考えて、どう動けるか。それも自分の評価に関わってくることだと思います。
いつの間にか当たり前になっていたことを考えさせられるありがたい学びとなりました。
作業で必要な正確性
今回の単体テストでは、4つのAndroid端末を同時に使って試験をします。早く作業を進めることは必要ですが、それ以上に正確性が求められる作業でした。
なぜなら、端末の種類やバージョンによって、動作や画面表示が違うのです。例えば、A端末では表示されていた文章が、種類の違うB端末ではそもそも表示されなかったり。
そこで、それぞれの端末で正しい動作が何なのか、一つ一つ正確に確認する必要があります。「一つがこの結果だから、他も同じ結果が正しい」という考えはできません。少しでも迷ったら全て開発担当者に正しい動作を確認する。その繰り返しでの作業になりました。
忙しい開発担当者に何度も質問するのは、聞きづらさもありましたが、曖昧にしてしまうと結局あとから自分を苦しめることになります。
一つのテスト結果を曖昧なまま進めたことで、それが後に起こる問題の原因だったということは会社員時代にも経験があったので、確認作業はしっかり取り組みました。
その結果、今回のプロジェクトの最後に、開発担当者からこんな嬉しい言葉をもらうことに
「今までのテスターの中で1番精度が高かったです」
その言葉を聞いて、正確性は人への信頼に大きく影響するんだと感じることができました。
コミュニケーションの大切さ
スキルが足りないならまずコミュニケーション力を磨く。私自身フリーランスをする上で、スキルが未熟なことに不安を持っていました。
結論として、スキルは必要です。
しかし、優れたスキルがあればそれでいいというわけでもありません。
ある日、プロジェクトリーダーの方と一緒に帰る機会がありました。そこで私は「面談での評価」や「どんな人材が必要か」そんな質問をしました。
「スキルは確かにあった方がいいけど、やっぱり人柄やコミュニケーションが重要」そう言っていました。
実際、私より経験豊富な方とも面談をしたそうです。それでも人柄を見て決めたと聞きました。経歴があっても人柄を見て採用しないこともあるようです。
もちろんスキルも身につけて、コミュニケーション力が抜群な人がベストだと思いますし、私自身、独学でスキルを磨こうとしたこともありましたが、思うように勉強が続きません。
それならプロジェクトの現場で身につけよう。そのために、まずコミュニケーションでスキル面をカバーすることを考えていました。
結果的にそれが評価されていたことは嬉しかったです。
「スキルとコミュニケーション」どちらも重要なことではありますが、コミュニケーション力を普段から積極的に磨こうと考える人は少ないです。
だからこそ、それを強みにすることは大切なことだと思っています。
初めてのフリーランスを経験して思うこと
今回のプロジェクトは私がフリーランスとして初めて参画したものでした。
スタートするまではフリーランスが会社員とどんな風に違うのかドキドキもありましたが、客先に常駐するのであれば、さほど働き方は変わらないというのが正直な感想です。
ただ、会社の人間関係を気にする必要がなくなって、気持ち的には楽な部分が増えました。
そのぶん、これまで会社で先輩や上司の指示に従っていたことも、全て自分で考えて能動的に動かなければなりません。
常に自分自身に少しずつ負荷をかけながら成長できる、フリーランスはそんな働き方だと初めての現場を経験して思いました。
合わせてご覧ください
今回寄稿いただいた、たくやさんの二案件目のフリーランス案件。Javaの開発案件に挑戦された体験談です。
